芸能

ワイドショーで増える「大型パネルでアナウンサーが説明」 “わかりやすさ”は日本らしい親切設計

この10年で急激に「若者のテレビ離れ」が進んだ背景に何がある?(Getty Images)

最近のワイドショーの特徴は(Getty Images)

 ニュースに重きを置く硬派な番組から笑いに“全振り”した番組まで。朝8時台に放送される情報番組は実にさまざま。それぞれの特徴や最近の傾向を解説する。

「通勤前の会社員や主婦、学生、高齢者など、視聴者層の幅が広いのが朝番組の特徴です。横並びのタイムテーブルで生放送をしているため、どれも大差ないと思われがちですが、8時台の番組は狙いと魅力がそれぞれ異なります」

 こう話すのは、コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さん。そこで、ある一日の各局の番組を分単位で比較してみたら……たしかにニュースや独自ネタ、特集など、何に重きを置いているのかが一目瞭然だった。

『腐ったテレビに誰がした?「中の人」による検証と考察』(光文社)の著者で、テレビプロデューサーの鎮目博道さんもこう続ける。

「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の放映権を持つテレビ朝日のアドバンテージを考慮しても、もともとニュースや時事ネタをしっかり扱うのが『モーニングショー』。その対極にいるのが、ニュースやワイドショーには触れないと宣言している『ラヴィット!』と『あさイチ』です。その中間、バランスをとっているのが『めざまし8』と『スッキリ』。ただ日本テレビは若者層を意識した番組作りをしているので、『スッキリ』の方が、よりバラエティー色が強いですね」(鎮目さん・以下同)

 かつてワイドショーといえば、時に「えげつない」といわれるような切り口で芸能や事件・事故を中心に扱い、芸能スキャンダルなら記者会見、事件・事故なら現場からの中継で、どこまで真実に肉薄できるかで各局が視聴率競争を繰り広げていた。

 テレビ朝日局員として25年以上、ニュース番組や情報・ワイドショー番組の制作に携わってきた“中の人”である鎮目さんは、「最近のワイドショーの制作現場にはある異変が起きている」と言う。

「番組予算の削減も関係しているのですが、大型パネルをスタジオに登場させて、アナウンサーなどに解説させるのがブームです。安上がりですし、意外と数字も取れる」

 たしかにこの日、現場からの中継はゼロ。スタジオでのやりとりにはボードパネルやバーチャルパネルが登場していた。ただ、こうしたビジュアル面の“わかりやすさ”こそ、日本らしい親切設計だと木村さん。

「オープニングにはその日取り上げる内容をかいつまんで紹介するのですが、見出しの文字の大きさや色みなどで、何を重点的にオンエアするのかがわかるので、そこで視聴を判断しやすい。また、常にテロップが何かしら出ているので、慌ただしい朝の時間帯にパッと情報を得られるところもいいですね」(木村さん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第24回】現在70歳。自分は、人に何かを与えられる存在だったのか…これから私にできることはありますか?
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン