メディア対応にも“大谷らしさ”が溢れる(時事通信フォト)

メディア対応にも“大谷らしさ”が溢れる(時事通信フォト)

 同施設でのトレーニング内容は非公開の部分が多く、謎めいている。だが、フレッチャー氏は著書『SHO-TIME 大谷翔平 メジャー120年の歴史を変えた男』(徳間書店刊)のなかで、同施設で大谷が負荷の大きい「重いボール」を投げるトレーニングで球速を向上させ、数値化されたデータに基づいて自身の疲労レベルを正確に把握し、どの程度の休養を取ればいいかを理解したことをレポートした。

 生まれ変わって挑んだ2021年シーズン、投げては奪三振、打っては本塁打を量産し、史上初めて投手と打者の両方でオールスターに選出された。その後も投打で大活躍し、9勝2敗、156奪三振、打率.257、46本塁打、100打点の成績でシーズンを終えた。

 苦難の3年を乗り越え、大谷のグラウンドでの振る舞いが変わったとフレッチャー氏は語る。

「メジャーに来た当初に比べて、フィールドで感情を表現するようになった。投球中、大事な場面でアウトを取ったらこぶしを突き上げて叫ぶなど、好調時はエキサイトしていることがわかります。楽しんでプレーしていることも伝わってくる」

 フィールドで笑顔を絶やさず、おどけた顔でジョークを飛ばす。求道者のようなイチローや松井と異なり、リラックスして野球を真剣に楽しんだ大谷は、2021年のリーグMVPを受賞した。米国人ジャーナリストで『大谷翔平 二刀流の軌跡』(辰巳出版刊)の著者のジェイ・パリス氏は言う。

「メジャーに来た当初、私は投手か打者どちらかに専念することになるだろうと思っていた。しかし、少年よ、私は間違っていた! 今の大谷は“自分は高いレベルで投げることも打つこともできる”という確固たる自信を持っている。そしてその自信は野球史上、誰も成し遂げたことのないパフォーマンスをこれからも発揮できるという信念につながっています」

※週刊ポスト2023年4月21日号

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