3時のおやつより「食後のデザート」
朝食に気をつければ、代謝が上がっている昼間は、食事内容はさほど気にする必要はない。ただし、たんぱく質は忘れずに摂ってほしい。
「おすすめは赤身肉やまぐろ、かつおなど。ビタミンB群とカルニチンが豊富で、脂肪燃焼をサポートしてくれます。
【10】飲み物は緑茶やコーヒーを。カフェインやポリフェノールのほか、緑茶のカテキンやコーヒーのクロロゲン酸が脂肪燃焼を促進して、血糖値の急激な上昇を防ぎます。ただし、カフェインの過剰摂取にならないよう、いずれも1日3、4杯までにとどめましょう。
そのうえで、カフェインを含まない水分補給も重要です。水分不足は代謝を悪くするほか、体が水分をため込もうとしてかえってむくみを招く。水は1日1.5~2Lは飲むように心がけて」(高杉さん)
益江さんによれば、血糖値を上げにくくする水の飲み方があるという。
「アメリカの研究では、【11】食事の30分前に500mlの水を飲むとやせることがわかっています。水は15~30分で体に吸収されるので、一時的に血液が薄まり、血糖値が下がるためだと考えられています。
一方、食事中や食後は水分を摂りすぎないこと。胃から腸に食べ物が流されて、血糖値が急上昇しやすくなります」(益江さん・以下同)
ダイエット中でも、甘いものをがまんする必要はない。ただし、【12】3時のおやつよりも「食後のデザート」の方が太りにくい。炭水化物を最後に食べれば血糖値が上がりにくくなるのと同じで、甘いものも食後すぐに食べれば、血糖値に影響しにくいからだ。
「【13】血糖値を上げにくいのは、たんぱく質や脂質も多く含まれている洋菓子です」
もちろん、和菓子を食べてはいけないというわけでもない。糖質は、筋肉に不可欠なエネルギー源だからだ。
「和菓子は確かに糖質のかたまりですが、【14】筋トレなどをする前に食べるなら、むしろ効率のいいエネルギー源になり、ダイエットのサポートになります。昼食におにぎりを2つ食べているなら、おにぎりとお団子を1つずつ、などに置き換えてもいいでしょう。
一方で、カフェオレなどの甘い飲み物は控えてほしい。咀嚼しない分満足感が得られず、固形物と同じカロリーでも、早くお腹が空きやすいのです」(石本さん)
昼食やデザートで糖質を摂ったら、【15】夕食では糖質少なめの食事を心がけたい。医師で医療ジャーナリストの森田豊さんが言う。
「体脂肪の増加司令を担う“肥満遺伝子”ともいわれる『BMAL1』は、午後3時頃がもっとも少なく、夜9時頃にかけて増える。朝起きてから18時間後には30倍にもなるといわれます。BMAL1が増えると脂肪の蓄積量が増えるため、夕食は炭水化物を控えた方がいい。特に、夜10時以降は食べないようにしましょう」(森田さん)
夕食では糖質を控えた方がいい一方で、【16】良質な脂質はしっかり摂るべきだ。
「青魚やさば缶、ナッツなどに含まれる良質な脂質は、ホルモンや脳神経組織の材料になります。ダイエット中だからといって脂質を抜くと、肌の乾燥や生理不順、脳機能の低下などが起きる可能性もある。
また、脂質は少量でも満足感を得やすいので、夕食の食べすぎを防ぐことも期待できます」(石本さん)