1回3分で大丈夫な「SUMOスクワット」
フルーツは、ダイエット中に不足しやすいビタミンやミネラルを補給できる優秀な食品だが、食べすぎには気をつけたい。管理栄養士の高杉保美さんが言う。
「ぶどう、もも、メロンなどは血糖値を上げやすい『高GI値』なので、食べすぎると中性脂肪が増える一因になります。一方、柑橘類のほか、ブルーベリーやいちごなどのベリー類はGI値が低く、朝食に100gほど食べても問題ないでしょう」
血糖値が上がると、それを正常値に戻すために、すい臓から「インスリン」というホルモンが分泌される。しかし、インスリンには血糖値を下げるとともに、血中の糖分を脂肪に変えて体にため込む働きがあるため、糖分を摂りすぎるとインスリンが過剰に分泌され、体に脂肪がつきやすくなるのだ。産業医として年間5万人に健康指導をする総合内科専門医の益江毅さんが言う。
「最近は、肥満の原因はカロリーの摂りすぎと考える『エネルギー-バランスモデル』ではなく、インスリンが深くかかわっていると考える『炭水化物-インスリンモデル』が主流になりつつあります。一日でもっとも血糖値が低い朝にいきなり炭水化物を食べると血糖値が急上昇し、インスリンが多く分泌されてしまう。これを防ぐためには、【5】野菜ファースト、たんぱく質ファースト、炭水化物ラストを心がけること。
また、【6】朝食で食物繊維を摂ると“やせホルモン”の『GLP-1』が出やすくなることがわかっています。小腸から分泌され、インスリンと同様、血糖値を下げるほか、食欲を抑える働きがあります」(益江さん・以下同)
食物繊維には、便のかさを増す不溶性食物繊維と、腸の中で水分を吸って腸内の汚れをからめ取る水溶性食物繊維の2種類がある。ダイエット中、特に積極的に摂るべきなのは水溶性食物繊維だ。
「水溶性食物繊維は、きのこ類や海藻、豆類などに多い。朝食には、たんぱく質と水溶性食物繊維が同時に摂れる豆腐や納豆などがいいでしょう。
また、青魚に含まれるEPAやDHAには、血液をサラサラにするだけでなく、中性脂肪を減らす効果もある。朝の方が吸収されやすいので、【7】魚を食べるなら夕食より朝食の方がいいでしょう」
実際に、魚の油は朝に摂る方が血液中の中性脂肪が減少しやすいことがわかっている。
【8】朝食を食べるベストな時間は6~8時の間。食事と食事の間に空く時間の長さも、代謝に影響を与えるからだ。
「朝食と昼食の間は5時間以上、昼食と夕食の間は6時間以上は空けないようにしてほしい。空腹の時間が長すぎると筋肉が減り、代謝を下げる原因になります。
自分のお腹が空くタイミングと、筋肉が栄養を求めるタイミングは別もの。好きなときに好きなものを食べていては、やせることはできません。
【9】食べた後はダラダラせず、軽く体を動かすこと。空腹時に体を動かすと脂肪は燃焼しやすいのですが、それ以上に筋肉が減りやすい。健康的にやせたいなら、空腹時に激しい運動をするのではなく、食後に軽くウオーキングをしたり、ストレッチをしてください」(石本さん)
脂肪燃焼にはウオーキングなどの有酸素運動が、代謝を上げるには筋力アップにつながる運動が最適だ。
その2つを組み合わせた即効性のあるエクササイズが、Google本社の日本人トレーナー・Sayaさんが考案した「globody」だ。
「脂肪がもっとも効率よく燃える運動強度は、人間の最大心拍数の4~6割ほどだといわれます。globodyはその強度で大きく筋肉を動かす『ファットバーン』に、小さな動きでインナーマッスルを刺激する『パルシング』を組み合わせ、そこにストレッチを足すことで、脂肪燃焼と筋トレが同時にできるのです。1回につき3分ほどで効率よく行うことができます。
特におすすめなのは『SUMOスクワット』(図)。全身を使って脂肪を燃焼させながら、お尻まわりの大きな筋肉を鍛えることができます。
朝行うことで全身の血流がよくなり、代謝が上がりますよ」(Sayaさん)