自宅で愛する娘と孫を抱く畑さん
その間、妻の純子さんは北海道で夫の帰りを待ち続け、ふたりで静かに余生を過ごすことを望んでいたという。50年前から夫妻と親交のある渡辺めぐみさんが語る。
「純子さんは肝が据わった女性で、ムツゴロウさんとの目まぐるしい日々を面白がっているようなところもありました。誰よりもムツゴロウさんのことを理解していたし、何があってもいちばんの味方でした」
2017年に畑さんが救急搬送されたとき、純子さんは夫を乗せたドクターヘリを見上げながら「今生の別れ」を覚悟したという。
「いつかこういうときが来ることはわかっていたと思います。それでも、本当に仲のいいふたりだったから、やっぱりいざとなるとね……」(渡辺さん)
晩年の畑さんは、原稿より絵を描くことを好んだ。
「たくさん描いていましたが、断捨離をするかのように安い値段で次々に売ってしまったんです。純子さんが気に入っていた絵もいつの間にか売られていて、畑さんは『誰かに持ってもらうことに価値がある』と言っていたそうです」(前出・畑さんの知人)
※女性セブン2023年4月27日号