爪楊枝を起用に扱う

爪楊枝を起用に扱う(SNSより)

──容疑者が謝罪に来た経緯を教えてください。
「問題となった動画が投稿されたのは、昨年9月頃のことです。その時点で一度小さく炎上したらしく、店に問い合わせが来て、つまようじを全部取り替えて消毒してという措置を取りました。警察にも相談に行きましたが、24時間経つと消える性質の動画で、小規模に公開されたものだったので、そのときは『様子見でいいんじゃないか』という話になりました。

 でも今年2月、ネット上のとっても迷惑な人がその動画をどこからか拾ってきてアップして、さらに暇な人が調べた結果、うちの店だとわかり、容疑者2人の情報がネット上に晒されました。そうなってから彼らが泡を食って、菓子折を持って謝りに来たんです」

──どんなやりとりをしましたか?
「『ごめんなさいで済む話じゃねえよ』と伝えました。彼らだけでなく私たちもそういう噂で全国区になってしまった。だから、『そんな菓子折もらう気もないし、持って帰れ』と。謝罪に来たことは認めますし、彼らが(動画を)広めたわけじゃないというのはわかりますけどね。具体的に何が出来るかという話でもないし、『弁護士さんを介して解決策を見つけます』みたいな具体的な話もしてきてないわけですから」

──「『ビラ配りを手伝えば許してあげる』と言われた」という情報を聞きました。
「そんなことは一言も言ってないです。どこがそんなこと言ってたんですか。初耳ですし、事実無根です」

──今回の騒動で、お店はどんな被害を受けましたか?
「つまようじを破棄するといった作業もそうですし、『気持ち悪くて行けません』と電話で言われたこともありました。そもそも動画が出なければ、そういう電話対応は発生していませんよね。動画を見て店に来るのを控える人もいただろうし、実際、売上は3割落ちてます。ただ弁護士さんにも相談しましたが、コロナ禍なども関係しているだろうから、売上が落ちたのと炎上との関係を立証するのは難しいみたいです」

──お店としては今後どうしていきますか?
「私たちがやれる予防策は全部やったし、これ以上やれることはありません。外食産業って普通、お客様がそんないたずらをするとは思っていない。性善説でもっているんです。だから、『ごめんなさいじゃ済まねえよ』ってことなんです。

『彼らだけでなく、動画を拡散させたTwitterユーザーも一緒に訴えたほうがいいんですか?』と警察に相談しましたが、 『それは厳しい』と言われてしまいました。拡散したことについて、悪気がなかったと言えばそれまでですからね。

 でも拡散した側が悪意ゼロだとは、われわれ被害者側としては到底思えないですけどね。去年の9月の時点で消えたはずの話が再燃した。私たちは何もできないんですから」

──逮捕された2人に言いたいことは何でしょうか?
「何もねえけど、ほんの一時のおふざけが大変なことになりましたよねと。ちょっと考えれば、あれはなかったと思うんです。だって小学生じゃないんですよ。やっていいことか悪いことか、いい年だからわかると思うんです。外食に行ったとき、いちいち疑問を持ってつまようじを使いたくないですよ。

外食産業の人たちって今、厳しい人手不足のなか、お客さんのために本当に一生懸命やってるんです。(声を震わせながら)その思いを踏みにじるようなことはしてほしくない。それは彼らだけじゃないです。ネットの人も、こういうことをしちゃダメだよと思って拡散してくれるならいいですけど、あんまり大きくやりすぎると、本来それに気づかない人まで悪意ある形でそれを見て、(店を)敬遠してしまうと思うんです」

 ビラ配りをめぐり、食い違う発言。「ビラ配りで手打ち」が事実と違うのだとしたら、一体それはどういう意図での発言だったのだろうか。

 30歳の悪ふざけは、父親まで巻き込む大事に繋がってしまった。

情報提供募集

「NEWSポストセブン」では、情報・タレコミを募集しています。下記の「公式ツイッター」のDMまで情報をお寄せください。

DMはこちらからお送りください!

関連記事

トピックス

若手俳優として活躍していた清水尋也(時事通信フォト)
「もしあのまま制作していたら…」俳優・清水尋也が出演していた「Honda高級車CM」が逮捕前にお蔵入り…企業が明かした“制作中止の理由”《大麻所持で執行猶予付き有罪判決》
NEWSポストセブン
「正しい保守のあり方」「政権の右傾化への憂慮」などについて語った前外相。岩屋毅氏
「高市首相は中国の誤解を解くために説明すべき」「右傾化すれば政権を問わずアラートを出す」前外相・岩屋毅氏がピシャリ《“存立危機事態”発言を中学生記者が直撃》
NEWSポストセブン
3児の母となった加藤あい(43)
3児の母となった加藤あいが語る「母親として強くなってきた」 楽観的に子育てを楽しむ姿勢と「好奇心を大切にしてほしい」の思い
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
過去にも”ストーカー殺人未遂”で逮捕されていた谷本将志容疑者(35)。判決文にはその衝撃の犯行内容が記されていた(共同通信)
神戸ストーカー刺殺“金髪メッシュ男” 谷本将志被告が起訴、「娘がいない日常に慣れることはありません」被害者の両親が明かした“癒えぬ悲しみ”
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
木瀬親方
木瀬親方が弟子の暴力問題の「2階級降格」で理事選への出馬が絶望的に 出羽海一門は候補者調整遅れていたが、元大関・栃東の玉ノ井親方が理事の有力候補に
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
高石あかりを撮り下ろし&インタビュー
『ばけばけ』ヒロイン・高石あかり・撮り下ろし&インタビュー 「2人がどう結ばれ、『うらめしい。けど、すばらしい日々』を歩いていくのか。最後まで見守っていただけたら嬉しいです!」
週刊ポスト
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン