丸は打率が1割台と深刻な不振(時事通信フォト)

丸は打率が1割台と深刻な不振(時事通信フォト)

 2010、2011年は3位に終わると、同年オフに村田修一、杉内俊哉をFAで獲得し、2011年にソフトバンクで19勝と最多勝を獲得したホールトンも補強。2012年に日本一を奪回した。

 3度目の監督に就任した2019年は、広島からリーグ3連覇の立役者となった丸佳浩、西武の炭谷銀仁朗(現楽天)をFAで補強した。この時にチームを長年支えた内海哲也(現西武2軍投手コーチ)、長野久義がFA人的補償で流出したことは巨人ファンの間で波紋を呼んだが、2019、2020年とリーグ連覇。ただ、日本シリーズでソフトバンクに史上初の2年連続で4連敗という屈辱を味わう。生え抜きの選手たちが中心のソフトバンクに投打で圧倒された戦いぶりは、外部補強のチーム作りに限界を感じさせるものだった。

 しかし、昨オフは目立った補強がソフトバンクの戦力構想から外れた松田宣浩、5年ぶりに巨人に復帰した長野のみ。在籍5年で29勝をあげたメルセデスを退団させて新外国人選手を5人獲得したが、日本野球に適応できるか未知数だ。現役ドラフトで楽天から移籍したオコエ瑠偉は期待以上の働きを見せているが、1シーズンを完走したことがない。計算できる戦力に入れるのはまだ早いだろう。

 巨人を取材するスポーツ紙記者は、「戦力を考えるとやはり優勝は厳しい。今季は中日と最下位争いが現実的だと思います。それなら中山礼都、新人の門脇誠、萩尾匡也、ファームで結果を出している菊田拡和、秋広優人を1軍で起用して育成に徹してもいいと思います。坂本や丸など先が見えるベテランを使ってもチームの伸びしろを考えた時に限界がある。原監督は失敗に目をつむって選手を育成するというタイプではないですが……。このままだと暗黒時代が続くような閉塞感を感じます」と複雑な表情を浮かべる。

 スタメンのみならず代打もベテランばかりで若手の出場機会が恵まれていない状況に、SNSで巨人ファンの不満のコメントが目立つなど原監督の采配への風当たりも強くなっている。いつまでも実績のあるベテランに依存できない。チームは間違いなく、変革期を迎えている。

長野も代打で活躍を残せない(時事通信フォト)

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長いトンネルから抜け出せない坂本勇人(時事通信フォト)

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