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「ファンの訃報を毎年聞いていた」小田井涼平が語った『純烈』卒業の経緯と高齢者に向けたエンタメの宿命

この春から情報番組『かんさい情報ネットten.』(読売テレビ)の月曜コメンテーターに

この春から情報番組『かんさい情報ネットten.』(読売テレビ)の月曜コメンテーターに

 2022年いっぱいで、ムード歌謡コーラスグループ「純烈」を卒業した小田井涼平さん(52)。親孝行のため紅白出場を目標にしてきた「純烈」の最年長メンバーだった。その目標をみごと達成し、紅白に5回出場した。卒業後、ソロで活動する小田井さんは今、どんな思いでいるのか。「純烈」の活動を振り返って思うこと、今の心境と活動、そしてこれからの夢や目標を聞いた。【前後編の前編】

 * * *
 卒業直後、「純烈」は僕にとって“家族”“もうひとつの実家”という感覚でした。1年365日のうち330日以上、ずっとメンバーと一緒にいましたから。4か月以上経った今は、「純烈」時代をかなり過去のことに感じられます。テレビで「純烈」を見ると、「オレ、ここにおったんよな」って不思議な感じ。ものすごくいい環境で部活をやってたような感覚ですね。

 高校、大学はバレーボール部やったんですけど、振り返ると青春やったなと思うんです。みんなで汗を流して一喜一憂したり、しょうもないことでバカを言ったり、ファンの方と泣いたり笑ったりして。「純烈」はそれとものすごく近くて、年齢的に若くはないけど青春やったな、って。この先、3年、5年と経つにつれ、もっと距離ができてくるでしょうが、自分の足跡の1ページであったことに変わりはなく切れることはない。この先も目に見えない太い何かでつながっている感覚は、ずっと続いていくんでしょうね。

卒業までの経緯

新たに純烈メンバーとなった岩永(2018年撮影)

新たに「純烈」メンバーとなった岩永(2018年撮影)

 卒業を発表したのは2022年4月。だから、みなさんは僕がその少し前に卒業を決めたと思っていると思いますが、卒業しようと決めたのは1回目の紅白出場が決まった2018年。紅白出場前の年末に、事務所の社長と店でお酒を飲みながら僕の気持ちを伝えました。

 でも、紅白に出た次の1年間は、紅白の余波でギャラの単価が上がったり、営業の仕事が増えたりするんですね。それなのにメンバーが1人抜けたら「純烈」の活動に損害を与え、全員に迷惑をかける。だから1回目の紅白出場直後には卒業しないけど、2回目の紅白は目指さない、と話し合いました。

 ところが、2019年の年が明けた途端、みなさんご存じのとおり、メンバーのスキャンダルが出て、そのメンバーが脱退・芸能界引退をしました。そこで、僕までも卒業を言い出すわけにはいかなくなりました。それで、活動を続けるうちにコロナに。公演ができなくなってしまいました。突然、会えなくなったファンのためにも、コロナの最中に卒業するわけにはいかなくなり、僕の卒業はコロナがだいぶん落ち着いた2022年となったのです。

 卒業の理由はこの先の活動を考えてのこと。仙台でモデルやって、東京で5年俳優をやって、「純烈」で15年。最初に紅白出場が決まったときのことは、一生忘れられないでしょう。ほんまに夢が叶ったんや! って思いました。でも、歌って踊って、移動して、の「純烈」の活動を、いつまでもはできません。身体が思うように動かなくなってから、その先の活動をどうするか考えたのでは遅い。その怖さがありました。

 役者に戻りたい、演技への情熱が抑えられなかったから、というわけではありません。もちろん芝居は好きですが、「純烈」で活動している間、演技をほとんどやっていなかったので15年のブランクがあります。これを取り戻すのは並大抵ではありません。52歳の僕には、52歳なりの演技を求められますから。

 今、日生劇場で坂本昌行クン主演のミュージカル『ザ・ミュージック・マン』をやらせていただいていますが、坂本クンをはじめ、ほかの出演者、アンサンブルの方々の演技、歌、ダンスを見ていると、こんだけ違うか、とものすごく感じます。ただ、芝居はこの人にやらせたら面白いな、という、その人の個性が生きる役もあります。だから、僕の個性を活かした役をいただけたら、今後もやっていきたいなと思っています。

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