菊地も一軍に上がっていきなり3連投
もっとも、中継ぎの登板過多は巨人だけの話ではない。セ・リーグの最多登板は中日の祖父江大輔、田島慎二の16試合だ。DeNAの伊勢大夢やヤクルトの石山泰稚も14試合に投げている。
「彼らは実績があるので、ブルペンでの調整法や年間を通してのペース配分も把握している。田中や直江は1シーズンを通して働いたことがない。祖父江や田島らと同列に考えてはいけません。若い投手だからこそ、首脳陣がちゃんと登板間隔や球数を管理しないといけない。彼らにしてみれば、監督の期待に応えようと、遮二無二に投げるのは仕方ないこと。そうすると、ケガにも繋がりかねない。田中や直江はもっと大事に使われていれば、自信を持ったまま、夏場や終盤を迎えられたはずです」
7日の中日戦では直江、大江竜聖の後を継いだ背番号96の菊地大稀が、4番の石川昂弥に勝ち越しの犠牲フライを許した。
「菊地は5月2日に一軍に上がって、いきなり3連投。この日で、5月の6試合で4試合目の登板です。他にピッチャーがいないからといって菊池ばかり使えば、田中や直江のように、研究されて疲れが溜まって、打たれ始める未来も容易に想像できる。原監督がこのような起用法を辞めない限り、巨人のピッチャーは育たないのではないか。
去年も平内龍太が抑えたら、平内ばかり使っていた。一時、10試合連続自責点ゼロを記録するなど『8回の男』になりましたが、終盤の9月には安定感を失い、最終的には防御率4.32で終わりました。
投手を育てる時には、徐々に段階を上げていくという作業が大事だと思います。原監督は一気に使いまくるので、体に負担もかかる。平内は53登板の影響もあってか、昨年オフに右肘を手術して今年は育成選手契約です。目先の勝ちにこだわり過ぎるため、ピッチャーを酷使してしまい、長い目で見ても損をしている。だから、ここ数年、巨人が救援投手陣で苦しんでいるのだと思います」