2021年にNPB最速となる球速166kmをマークしたビエイラ(時事通信フォト)

2021年にNPB最速となる球速166kmをマークしたビエイラ(時事通信フォト)

ビエイラを大事に使っていれば今も戦力だったか

 2021年、原監督はかつてのエースで理論派の桑田真澄氏を投手コーチに迎え入れた。しかし、桑田氏は今年からはファーム総監督になり、阿波野秀幸氏が一軍投手コーチになった。

「コーチがコロコロ変わると、育成方針に一貫性がなくなってしまう。桑田コーチは135球完投を理想として先発投手を育てようとし、リリーフの体にも細心の注意を払ってシーズン終盤までは3連投を基本的に禁止していた。それが、目の前の勝負に勝ちたい原監督と対立したと一因とも言われています。

 大勢が2年目の今年も抑えを務めているのは、桑田コーチが原監督に我慢を促した点も大きかったのでは。もし昨年3連投を何度もしていれば、今年どうなっていたかわかりません」

 一昨年、巨人にはNPB歴代最速の166キロを誇るビエイラというクローザーがいた。しかし、6月に3連投を2度するなど、投げすぎがたたってか、9月にはヒジの違和感で登録抹消に。3週間足らずで一軍のマウンドに戻ってきたが、勝負所の10月は精彩を欠いた。この年は56試合0勝3敗19セーブ、防御率2.93の成績を残したものの、ケガの影響があったのか、翌年は本来の球のキレが戻らず、9試合で0勝2敗0セーブ、防御率9.82でチームを去った。

「ビエイラは、ロッテの佐々木朗希を凌ぐNPB歴代最速のスピードボールを持ち、2021年には32試合連続無失点というNPBの外国人新記録を作った。外国人だからなのか、大勢がクローザーに収まったからなのか、ビエイラの存在は忘れられがちですが、巨人が自前で取った当たりの外国人投手だった。今年30歳ですから、大事に使っていれば今も巨人の貴重な戦力になっていたと思います。そうすれば、ビエイラか大勢のどちらかをセットアッパーで使えていた。今のようなチーム成績にならなかったかもしれない。非常に勿体無いことをしたと思います」

 巨人は中継ぎにローテーションを設けるほど投手陣が充実していない。一方、ここ数年はビエイラや平内のように、集中的に起用され続けたことで、短期間しか活躍できなかった投手もいる。彼らを大事に起用していれば、今の投手力不足はなかったかもしれない。巨人が「魔の8回」に苦しんでいるのは、原監督の投手起用法の影響も大きいのではないだろうか。

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