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60代以上の同窓会が増加、「日曜の昼」の開催が多いのが特徴 コロナを経て集まることにプレミア感

(写真/PIXTA)

「女の友情」がトレンド(写真/PIXTA)

《楽しいことがあると、きついのが耐えられなくなる。きついだけの方が楽なんだよ。何も考えなくていいし。だから、一緒にいて楽しい友達ができると、つらい》。これは4月30日から放送がスタートしたドラマ『日曜の夜ぐらいは…』(テレビ朝日系)の中で、車いすの母を抱えて先の見えない人生を歩む主人公・サチ(清野菜名)が意気投合した友達に向かって発したせりふだ。

“恋愛なんか奇跡じゃない。友情こそが奇跡だ。”をキャッチフレーズとした同作では、サチが偶然参加したバスツアーで元ヤンキーのタクシー運転手・野田翔子(岸井ゆきの)、祖母と2人暮らしをしながらちくわぶ工場で働く樋口若菜(生見愛瑠)と出会い、新たな世界に踏み出していく姿が描かれている。

 この作品をはじめとして、昨今の人気ドラマは「女の友情」が花盛り。安藤サクラ主演・バカリズム脚本で今年1月から放送されて話題を呼んだ『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)や、Netflixで配信中の韓流ドラマ『39歳』など、次々に名作が誕生している。ドラマに詳しいコラムニストのペリー荻野さんが言う。

「いまから30年ほど前、私の若い頃はどろどろの愛憎劇を描く昼ドラが主流で、そこに登場する女性は友達同士というより三角関係でつながった、お互いを蹴落とそうとするライバル同士。だけど最近、風向きが変わってきたことを感じます。

 自立する女性が増え、結婚しないという選択も珍しくなくなった現代では、恋愛よりも友情関係の機微を描いた方が女性の心をつかみやすいのでしょう。描写される友情は若い世代に限りません。石井ふく子さんがプロデューサーを務め、今年4月に放送された相葉雅紀さん主演の『ひとりぼっち』(TBS系)は、坂本冬美さんと一路真輝さんが友情でつながって助け合いながらおにぎり専門店を切り盛りする様子が魅力的な作品でした」

 働き盛りや子育て時代を過ぎて、自分をとりまく環境や人間関係に変化が表れるときにどのように友人とつきあうかは「豊かな老後」を過ごすための重要なポイント。ペリーさんは、特に人生の後半戦に入ると新たに友情を育むチャンスが増えると話す。

「60代は“再会期”なんです。この年代は子育てが一段落して定年を迎え、一息つける人が多い。駆け足で歩んできた人生を落ち着いて振り返ることができる時期です。

 私はちょうど60才ですが、最近、高校時代の同級生のLINEグループができて還暦同窓会が開催されました。“孫の世話をしてます”とか“投資に成功してビルを建てました”とかそれぞれの近況を1分スピーチで発表し合って盛り上がり、久しぶりに再会した昔の友達とまたつながることができました」

 実際、ペリーさんのように60代で久しぶりに同窓会に出席する人は増えている。同窓会幹事代行サービス「笑屋」代表の真田幸次さんが話す。

「コロナで落ち込んだ同窓会の需要が戻りつつあり、60代以上の依頼が増えています。コロナを経て、大人数で集まることそのものにプレミア感が増していることが増加の理由だと感じます。通常の同窓会は土曜日の夕方に始まることが多いですが、60代以上は日曜のお昼開催が多いのが特徴です」

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