ライフ

【最新MEGA地震予測】異常変動をAI解析 M6クラスを要警戒の2つの地域

「MEGA地震予測」2023 VOL4

「MEGA地震予測」2023 VOL4

 5月に入って、石川県能登地方地震(M6.5)、千葉県南部地震(M5.2)、北海道日高地方東部地震(M5.4)と、大きな揺れが立て続けに日本列島を襲っている。多くの人が不安にかられているのではないか。そんななか、これまで数多くの地震発生を見通してきた「MEGA地震予測」が、現在警戒を促している地域がある。

「能登や千葉だけでなく、ここ最近は全国で地表の激しい動きが見られています。そこで、衛星画像などの科学的観測データを解析した結果、今後もM6クラスの大きな地震が起きる可能性は高いと分析しています」

 そう語るのは、測量工学の世界的権威である村井俊治・東京大学名誉教授が立ち上げた地震科学探査機構(JESEA)で主席研究員を務める郭広猛博士だ。

 JESEAが配信する「MEGA地震予測」は、国土地理院が全国約1300か所に設置する電子基準点のGPSデータを使って地表の動きを捉え、1週間ごとの上下動の「異常変動」、長期的な「隆起・沈降」、東西南北の「水平方向の動き」などの主な指標を分析している。2020年からは電子基準点のデータをAI(人工知能)で解析する危険度判定も導入した。

 さらに、郭博士がJESEAに加入した後の2021年には、地表の動きの分析に加え、衛星画像の解析など計10種類の予測法を組み合わせた「ピンポイント予測」を実用化。地震発生の切迫度がより高い時に限って、「場所」や「時期」「規模」を明示し、警告を発している。的中率は80%近い数字になるという。

 そんな「ピンポイント予測」が、新たに警戒を促している地域が2つある。

東北警戒ゾーン

 一つが「東北地方」で、〈6月7日まで〉〈M6.0±0.5〉と予測している。郭博士が説明する。

「5月上旬に東北地方の地表から、地震の前兆と思われるガスの噴出を衛星画像データの解析で確認しました。『隆起・沈降』では、東日本大震災以降は、日本海側と奥羽山脈周辺が沈降する一方、太平洋側が隆起し、境目に歪みが溜まっていると考えられます。また、『牡鹿』や『大船渡』など特に太平洋側で大きな異常変動が集中しており、注意が必要です」

東海・甲信警戒ゾーン

 もう一つが、甲信に加え、東海と北陸の一部を含む「中部地方」だ。

〈6月7日まで〉〈M5.5±0.5〉

 と予測している。この地域でも東北同様、ガスの噴出と思われる異常が確認されているという。

「長野県の電子基準点『箕輪』で7cm超の『異常変動』が観測されています。『隆起・沈降』では、静岡県駿河湾周辺が沈降し続けており、今年に入ってから山梨県南西部や長野県中部でも新たに沈降が見られるため、周囲の隆起との境目に歪みが溜まっていると考えられます」(郭博士)

関連キーワード

関連記事

トピックス

盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
「『逃げも隠れもしない』と話しています」地元・伊東市で動揺広がる“学歴詐称疑惑” 田久保真紀市長は支援者に“謝罪行脚”か《問い合わせ200件超で市役所パンク》
NEWSポストセブン
モサドの次なる標的とは(右はモサド長官のダビデ・バルネア氏、左はネタニヤフ首相/共同通信社)
イスラエルの対イラン「ライジング・ライオン作戦」を成功させた“世界最強諜報機関”モサドのベールに包まれた業務 イラン防諜部隊のトップ以下20人を二重スパイにした実績も
週刊ポスト
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《渡部建の多目的トイレ不倫から5年》佐々木希が乗り越えた“サレ妻と不倫夫の夫婦ゲンカ”、第2子出産を迎えた「妻としての覚悟」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
事件の“断末魔”、殴打された痕跡、部屋中に血痕…“自慢の恋人”東川千愛礼さん(19)を襲った安藤陸人容疑者の「強烈な殺意」【豊田市19歳刺殺事件】
NEWSポストセブン