配信視聴狙いだからかぶってもOK
あらためて時間帯別に見ると、21時台が1作、22時台が3作、23時台が1作、24時台が2作、25時台が3作放送されていて、このところ明らかに深夜帯の作品数が増えています。
これは「深夜帯のドラマはリアルタイム視聴だけでなく、配信視聴で見てもらおう」という狙いの表れ。多少放送時間帯がかぶっていても気にしすぎず、「いかに配信で見てもらうか」を踏まえて企画やキャスティングが考えられているようです。
自局系の動画配信サービスで先行配信する作品があるほか、30分で見やすいストックコンテンツとしての価値なども含め、深夜ドラマが配信収入の期待を担っていることは間違いないでしょう。
正直、「火曜だけで連ドラ10作」という偏りは、番組表のバランスがいいとは言えません。ただそれでも各局が手を組む形で「火曜はドラマを見る日」というイメージをつけられる可能性もあり、決して悲観すべきことではないようにも見えます。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。