アラブ首長国連邦のドバイから成田空港に到着した前参院議員のガーシー(本名・東谷義和)容疑者(時事通信フォト)
注目を浴び、国会議員に当選という形で自分のやっていることを評価され、YouTubeやオンラインサロンの登録者数増加や広告収入という報酬まで得て、刺激希求性は大いに満たされていく。だが国会に登院せず国会議員を辞職。YouTubeの動画は削除され、オンラインサロンも閉鎖。動画を通じて男性3人を脅迫した罪に問われ、ついに2023年6月4日、UAEで拘束されドバイから急遽帰国、警視庁に逮捕された。ドバイにいれば安心と思っていた彼は、帰国した日本で周囲からどんな扱いを受けるのか、不安だったに違いない。
議場での陳謝に向け帰国するかしないかが注目されたのは2023年3月。その時なら彼の帰国を報じるメディアも多数いることが想像できたが、今回は違う。空港内で捜査員に囲まれながら連行されてきたガーシー容疑者の表情は硬かった。口元は真一文字に結ばれていたが、大勢の報道陣を見ると、表情がほころんだ。自分のことをまだこれだけメディアが注目していることに、承認欲求と自尊心がくすぐられたのだろう。顎が上がる。そして何事かつぶやき満面の笑みを見せた。大胆で恐れを知らない不敵な笑みとは違う満面の笑み。してやったりという感情の表れかもしれない。
いつ釈放されるのか、無罪になるのか、元NHK党の立花孝志氏が彼を支援すべく動き始めているというが、ガーシー容疑者の話はもうお腹いっぱい。刺激希求性の高い人たちに、今まで以上の刺激を与えることもできないだろう。旬は過ぎたということか。