かかりつけ医にしたくない医者を見分ける15のチェックポイント
また、別掲の表に示したように「電話対応が雑」「入り口がバリアフリー化されていない」などの点からも、患者本位のクリニックか否かをある程度は予測できる。
初診時には、医師やスタッフの対応、言動から読み取れることが数多い。医師の服装や身だしなみが乱れているなどは論外だが、土山医師はこんな点にも注目する。
「匂いの強い香水をつけている医師は、アンモニア臭などの異変を察知できない恐れがあり、診療にマイナスとなる可能性があります。
また、医師とスタッフ間のコミュニケーションが円滑かどうかも重要。医師の当たりが強く、看護師たちが萎縮しているようなクリニックでは、両者の意思疎通が不十分になりがちで、思わぬ医療ミスにつながる恐れもあります」
医師と患者の相性は個人差が大きいものだが、総じて医師の言葉や態度が高圧的だったり、患者からの質問にきちんと答えない、もしくは嫌がる、はぐらかすなどの対応が見られた時は要注意だ。
「患者本位のバランス感覚をもつ医師には、『聞き出す力』が備わっています。糖尿病や高血圧の患者さんに生活習慣の質問がなかったり、目を合わせることもせず一方的に病状を説明する医師は黄色信号。患者さんの反応を見ながら、わかりやすい説明を心がける『視る力』も重要です」(同前)
風邪の診察で見極める
ただし、外科系の医師の場合は、多少、事情が異なることもある。『医者が家族だけにはすすめないこと』の著者で形成外科医の北條元治医師が言う。
「人当たりがよくて患者の話をよく聞く医師は人気を博しやすいとは思いますが、外科の良医には、どちらかというと職人気質が多い傾向にあります。同僚医師の間では腕が良いと評判がある一方、物言いがぶっきらぼうで患者受けせず、開業したら経営が苦しくなってしまった外科医のケースもよく聞きます」
初診時にはわかりにくいが、看護師らスタッフの定着率も目安になる。
「看護師の多くは一緒に働く医師が誠実に医療に取り組んでいるかを見ており、不誠実な医師のもとでは働きたくないと考えています。そのため、ベテラン看護師がいるクリニックは一定の信頼感があると言えるでしょう」(北條医師)