芸能

“逃げ切り”を図る歌舞伎界 市川猿之助のハラスメントは不問に付し、“演出”などで復帰させる動きも

猿之助が

猿之助の一連の騒動は、なかったことになるのか

 自浄作用が働かなければ、組織は緩やかに終焉を迎える。歌舞伎界は、問題から目を背け続けることで、問題そのものを「なかったこと」としてやり過ごそうとしているようだ。市川猿之助(47才)の“一家心中”騒動から1か月が経とうとしているが、猿之助本人は、都内にあるメンタル治療を専門とする病院に籠もる日々。精神状態は不安定で、取り調べも難しいという。

「歌舞伎界にあるハラスメント体質」はこのまままともな調査すらなく、藪の中となってしまうのか。歌舞伎興行を担う松竹の動きは鈍い。

《依然として事態の解明が途上でございますので、弊社としましてのコメントや経緯に関するご説明等は引き続き差し控えさせていただきたく存じます》

 6月3日にホームページでそうコメントを発表して以降、静観の姿勢だ。それどころか、真相究明もされない状況の中で、歌舞伎界には猿之助の復帰待望論まである。

「澤瀉屋を守るためには、猿之助さんに復帰してもらうしかない、というのが歌舞伎界の本音でしょう」(歌舞伎関係者)

 今後しばらくは、澤瀉屋は市川中車(香川照之、57才)が中心になる。しかし、中車は40代後半になって歌舞伎の道に入った人間だ。中車の息子・團子(19才)もまだ10代で、脂がのりきるのは10年、20年先。その前に、澤瀉屋が消え去ってしまうことさえあり得る。

「代役を務めた中村隼人さん(29才)は奮闘公演の千穐楽で、“私たちはずっと味方でいようと思っています”と宣言しました。

 歌舞伎界の中には、ハラスメントには目を向けず、澤瀉屋の存続と興行の売り上げばかりを意識している『猿之助擁護派』がいます。責任を追及せず不問に付して、舞台には立てないまでも、演出やスーパーバイザーのような立場で復帰させようとしているのです。第三者委員会も立ち上がらず、松竹の調査も入らなければ、『逃げ切り』を許してしまうことになる」(別の歌舞伎関係者)

 伝統芸能という名にあぐらをかき、閉鎖された世界は、世間一般の感覚と大きく乖離している。体質の古さや構造的な問題は、これまでも不祥事が起きるたびに指摘されてきた。

「歌舞伎界にはびこるハラスメントの問題は、猿之助さんの一門に限った話ではない。メスを入れようとすれば、澤瀉屋はもちろん、ほかの一門の影の部分にも光を当てなければならなくなります。そうなると、全体が揺らぎ、興行が立ち行かなくなるのも事実でしょう。ただ、興行サイドも猿之助さんも、『逃げ切り』で済むのであれば歌舞伎界に未来はありません」(前出・別の歌舞伎関係者)

 歌舞伎の誕生から約400年。伝統を守るために、まずやらなければならないことがあるはずだ。

※女性セブン2023年6月29日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

無罪判決に涙を流した須藤早貴被告
《紀州のドン・ファン元妻に涙の無罪判決》「真摯に裁判を受けている感じがした」“米津玄師似”の男性裁判員が語った須藤早貴被告の印象 過去公判では被告を「質問攻め」
NEWSポストセブン
激痩せが心配されている高橋真麻(ブログより)
《元フジアナ・高橋真麻》「骨と皮だけ…」相次ぐ“激やせ報道”に所属事務所社長が回答「スーパー元気です」
NEWSポストセブン
Instagramにはツーショットが投稿されていた
《女優・中山美穂さんが芸人の浜田雅功にアドバイス求めた理由》ドラマ『もしも願いが叶うなら』プロデューサーが見た「台本3ページ長セリフ」の緊迫
NEWSポストセブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン
結婚披露宴での板野友美とヤクルト高橋奎二選手
板野友美&ヤクルト高橋奎二夫妻の結婚披露宴 村上宗隆選手や松本まりかなど豪華メンバーが大勢出席するも、AKB48“神7”は前田敦子のみ出席で再集結ならず
女性セブン
スポーツアナ時代の激闘の日々を振り返る(左から中井美穂アナ、関谷亜矢子アナ、安藤幸代アナ)
《中井美穂アナ×関谷亜矢子アナ×安藤幸代アナ》女性スポーツアナが振り返る“男性社会”での日々「素人っぽさがウケる時代」「カメラマンが私の頭を三脚代わりに…」
週刊ポスト
NBAロサンゼルス・レイカーズの試合を観戦した大谷翔平と真美子さん(NBA Japan公式Xより)
《大谷翔平がバスケ観戦デート》「話しやすい人だ…」真美子さん兄からも好印象 “LINEグループ”を活用して深まる交流
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「服装がオードリー・ヘプバーンのパクリだ」尹錫悦大統領の美人妻・金建希氏の存在が政権のアキレス腱に 「韓国を整形の国だと広報するのか」との批判も
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《私には帰る場所がない》ライブ前の入浴中に突然...中山美穂さん(享年54)が母子家庭で過ごした知られざる幼少期「台所の砂糖を食べて空腹をしのいだ」
NEWSポストセブン
亡くなった小倉智昭さん(時事通信フォト)
《小倉智昭さん死去》「でも結婚できてよかった」溺愛した菊川怜の離婚を見届け天国へ、“芸能界の父”失い憔悴「もっと一緒にいて欲しかった」
NEWSポストセブン