5月中旬、深夜練習の送迎には家族が付き添った

視聴率も支えてきた(写真は5月中旬)

 だが、放映権料を左右する視聴率も、羽生の引退を境に状況は一変した。たとえばNHK杯は、羽生が優勝した2019年にはフリーで14.5%を記録したが、羽生が欠場した2020年以降は1ケタ台の低空飛行が続く。別のフィギュアスケート関係者が嘆く。

「羽生さんがNHK杯で優勝した2015年は、ゴールデンタイム前の16時~18時45分の放送枠だったにもかかわらず、18%という驚異的な数字を叩き出しました。羽生さんが出ない試合は、全日本選手権でも世界選手権でも視聴率はガクンと下がり、当時、彼の“出欠”はテレビ局にとって死活問題でした。引退したいまとなっては、もう視聴率アップは期待できず、放映権の支払いも激減しているでしょう」

 世界選手権のスポンサー数も、羽生が初優勝した2014年の14社がピークで、羽生が出場しなかった2022年は8社、2023年には7社にまで落ち込んだ。

「羽生さんのライバルだったネイサン・チェン選手(24才)も2年間は学業に専念することを宣言。世界選手権2連覇の坂本花織選手(23才)や宇野昌磨選手(25才)、次世代エースと目されている鍵山優真選手(20才)も頑張ってはいますが、羽生時代のようなフィギュア人気を生み出すほどのスター選手がいないのが現状なのです」(前出・フィギュアスケート関係者)

 プロスケーターとしての羽生について、羽生の元コーチの都築章一郎さんはこう話す。

「引退後も新しいことに次から次へと挑戦し続けるなかで、プロとしての羽生結弦という存在感が、世界中で話題になっています。ISUもその大きさを改めて感じているのではないでしょうか。私は彼が小さい頃から、“挑戦すること”の意義を話し続けてきましたが、引退後も新しいプロの世界を作り上げている姿には、感心するばかりです」

 今年2月の東京ドームでの単独公演は最も安いA席でも2万3100円。それが完売した。チケット収入10億円とグッズ売り上げ10億円を合わせると、羽生はたった1日で20億円を稼ぎ出したことになる。こうしたプロ転向後の目覚ましい活躍をISUはどんな思いで見ているのか。

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