事件現場となった鶴見のマンション

事件現場となった鶴見のマンション

「そもそもデートDVという言葉が一般的になったのは比較的最近です。『いくら恋人同士でも過度な要求は人権侵害』と認識されるようになっていったのは、『me too運動』のような人権意識の高まりの流れに重なる部分があると思います。

 小さいうちからデートDVについて教えられることによって、無自覚な加害者を減らすことができるし、被害者も『これはDVなんだ』と気づける。

 そもそもいまの日本では恋人関係や夫婦関係を排他的契約関係のように捉えている人が多いのではないでしょうか。たとえば恋人関係の場合は、惹かれ合って自然に一緒になるというよりは、形式的に告白して、答えが YES ならその日から『恋人』となる。その瞬間『あなたは私だけのもの』になってしまうのです。裏切りは許されない。その歪んだ正義感は、赤の他人の不倫を過度に叩く風潮とも通底しているような気がします」

 たとえば、欧米などの海外では、おおた氏が指摘する「恋人関係や夫婦関係の排他的契約関係」が引き起こす問題についての教育が進んでいる。フランス・パリでは、2019年に「デートDVチェッカー」が作成され、暴力の定義や性的同意の基準を、緑「良好な関係」、黄色「これは暴力」、赤色「危険な状況」と色のグラデーションで示している。このチェッカーは、現地の中高生に向けて無料配布されていて、フランスのデートDV防止への関心度の高さがうかがえる。

「今回の鶴見の事件でも、相手を束縛する意識の強さからデートDVに走ってしまった可能性があります。束縛や支配は愛ではありません。もし、相手のそういった部分に気づいたら、すぐに逃げるべきです。そういった感覚を、交流範囲や機会が広がる思春期の子どもたちに教えることは重要です」(同前)

 同じ過ちを繰り返さないようにしていかなければならない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
アメリカから帰国後した白井秀征容疑(時事通信フォト)
「ガイコツが真っ黒こげで…こんな残虐なこと、人間じゃない」岡崎彩咲陽さんの遺体にあった“異常な形跡”と白井秀征容疑者が母親と交わした“不穏なメッセージ” 〈押し入れ開けた?〉【川崎ストーカー死体遺棄】
NEWSポストセブン
ジャンボな夢を叶えた西郷真央(時事通信フォト)
【米メジャー大会制覇】女子ゴルフ・西郷真央“イップス”に苦しんだ絶不調期を救った「師匠・ジャンボ尾崎の言葉」
週刊ポスト
元交際相手の白井秀征容疑者からはおびただしい数の着信が_(本人SNS/親族提供)
《川崎ストーカー死体遺棄》「おばちゃん、ヒデが家の近くにいるから怖い。すぐに来て」20歳被害女性の親族が証言する白井秀征容疑者(27)の“あまりに執念深いストーカー行為”
NEWSポストセブン
赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
前回のヒジ手術の時と全く異なる事情とは(時事通信フォト)
大谷翔平、ドジャース先発陣故障者続出で急かされる「二刀流復活」への懸念 投手としてじっくり調整する機会を喪失、打撃への影響を危ぶむ声も
週刊ポスト
単独公務が増えている愛子さま(2025年5月、東京・新宿区。撮影/JMPA)
【雅子さまの背中を追いかけて単独公務が増加中】愛子さまが万博訪問“詳細な日程の公開”は異例 集客につなげたい主催者側の思惑か
女性セブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン
連日お泊まりが報じられた赤西仁と広瀬アリス
《広瀬アリスと交際発覚》赤西仁の隠さないデートに“今は彼に夢中” 交際後にカップルで匂わせ投稿か
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《離婚するかも…と田中圭は憔悴した様子》永野芽郁との不倫疑惑に元タレント妻は“もう限界”で堪忍袋の緒が切れた
NEWSポストセブン
成田市のアパートからアマンダさんの痛いが発見された(本人インスタグラムより)
《“日本愛”投稿した翌日に…》ブラジル人女性(30)が成田空港近くのアパートで遺体で発見、近隣住民が目撃していた“度重なる警察沙汰”「よくパトカーが来ていた」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! トランプ圧力で押し寄せる「危ない米国産食品」ほか
「週刊ポスト」本日発売! トランプ圧力で押し寄せる「危ない米国産食品」ほか
NEWSポストセブン