「厚生労働省『知って、肝炎プロジェクト』健康デー2023」

第二部はゼミ室へ場所を移して杉、伍代、関口、中西が参加し、生徒の学習発表を聞いて意見交換を行った

 また別の班は日本人の有給休暇の取得率などに触れ、体調不良の看過について問題提起。「病院へ行ったほうがいいかも」と感じる不調の際に通院しているか、友だちや家族58人にアンケートを実施した結果、行っていない人は69%に達したと明かし、働く大人としては耳の痛い結果に、関口や中西も実感を込めた表情で聞き入った。

 肝炎を掘り下げたグループもあった。肝炎にかかったことのある人や医大生への取材を通じて、「今まで肝炎を知らなかったけれども、死にかかわる病気なので、私たち自身が知らないのはまずいと思いました」と語り、肝炎予防の歌を発表。「元素周期表の歌のようにしたら覚えやすいと思いました」と中学生らしい発想で、家電量販店CMでおなじみのメロディにのせて肝炎について理解を深めるオリジナルの歌詞を披露した。

 伍代は「肝炎についてとてもよく調べてくれました」と感心し、2才のときに子どもの肝臓にできるがん・肝芽腫を患った経験を告白した中西も「若い皆さんが肝臓のがんなど病気と向き合っていただけたら、うれしい。がんになる人が1人でも少なくなってくれることが願いです」と思いを述べた。

 この日集まった生徒が14才、15才と知ると杉は、自身が15才から65年近く続けてきた刑務所への慰問活動などに触れ、「ぼくはこれまで実践をして結果を出し、考えを導いてきました。自分で見て聞いて、判断することが成長には不可欠。そして人の役に立つために心を尽くしてください」と、エールを送った。

 生徒たちもその言葉に真剣に耳を傾け、「今は14才ですが同じ年齢に立つ時がくるので、先輩がたがその年齢で何を感じたのか聞いて、今後の目標を立てたい」「杉さんの体験を聞いて、想像が広がった。幅広い年代と話をして想像力を膨らませて、知見を広げたい」と抱負を語った。

 そして早速、意見交換会に参加した日本肝臓病患者団体協議会の代表幹事を囲んで話を聞くなど、“自分で見て聞いて、判断すること”を実践する生徒たちの姿も。1日を通じてダンスや肝炎の学習で異世代と交流し、一人ひとりに新しい意識が芽生えたようだ。

(※)65才以上のシニア世代で、「Good OLD」(古き良き/良い形で年を重ねている)という意味が込められた言葉

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