少し長いが、東京都の場合はこうだ。「青少年の健全な育成に関する条例」の該当箇所を引く。
〈(深夜外出の制限)
第十五条の四 保護者は、通勤又は通学その他正当な理由がある場合を除き、深夜(午後十一時から翌日午前四時までの時間をいう。以下同じ。)に青少年を外出させないように努めなければならない。
2 何人も、保護者の委託を受け、又は同意を得た場合その他正当な理由がある場合を除き、深夜に青少年を連れ出し、同伴し、又はとどめてはならない。
3 何人も、深夜に外出している青少年に対しては、その保護及び善導に努めなければならない。ただし、青少年が保護者から深夜外出の承諾を得ていることが明らかである場合は、この限りでない。
4 深夜に営業を営む事業者及びその代理人、使用人その他の従業者は、当該時間帯に、当該営業に係る施設内及び敷地内にいる青少年に対し、帰宅を促すように努めなければならない。〉
神奈川県の場合、これを「特別の事情がある場合のほかは、深夜に青少年を外出させてはいけません」としている。
ちなみに「正当な理由」および「特別の事情」とは「夜学、夜勤、塾」で外出する場合や「保護者が仕事等で帰宅が遅くなった際に青少年を同伴して買い物をしなければならない場合」、「火災、急病」などの緊急事態、指導者や保護者の管理下に行われるスポーツ等の合宿や地域の祭礼、盆踊り、初詣などが挙げられている。後者であっても遊興と飲食が目的の場合は「特別の事情」には該当しないことになっている。
ある著名人が小学生の娘さんを深夜の宴席に同伴させ、深夜0時過ぎまで「連れ回した」と報じられたことが子どもを持つ親を中心に賛否別れたが、東京都の場合はこの条例だけを見れば「努めなければならない」ということになる。
ファミレス化した居酒屋でも深夜に子どもを店に入れるわけにいかない
「いずれにしろ、他は知りませんがうちはだめです。ネットカフェとかゲームセンター、カラオケなんかはもっとだめなんですけど、昔の感覚なのでしょうか、意外と知らない親御さんもいます」(前出の居酒屋従業員)
20世紀の随分と古い話となるが、昔は親がいれば深夜のゲームセンターに入れた。カラオケもそうとうに古い時代の話で地域にもよるが、朝まで親子でカラオケボックスという時代もあった。もちろん、いまは各地とも厳しく条例で規制、店舗側も自主規制を設けているところが大半だ。