昔の話なら、大手ゲーム会社が経営するゲームセンターは18時で16歳未満は退去を求めるアナウンスと声掛けをしていたが、小規模な地場のゲームセンターは野放しだった(筆者の1990年代、千葉県柏市の場合)。1985年の「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(風適法)から年齢制限による規制はあったが、現在では逆に2016年以降、緩和されている。しかし条例はその限りではない場合もあり、ちぐはぐな状態の地域もある。大前提となる風営法はもちろんだが、この風適法と条例、そして店舗の決まりとで食い違う場合もあり、注意が必要である。もちろん親の「教育方針」によって違ってしまうことも。
限られた記事内で書き出すのが難しいほど、この「青少年保護育成条例」は都道府県により細かい点で異なる上に、対象となる業種にもよるのだが、16歳未満は保護者同伴で22時まで(地域、店によっては23時まで)は基本的に一緒である。もちろん店独自の基準でそれより早い時間で規制している場合もある。いずれにせよ、親がいようと決まりとしては22時および23時以降、子どもは「深夜営業施設」にいてはならない、ということになる。
「先ほどファミレス感覚、と言いましたが居酒屋も以前からファミレスのような家族で食事を楽しめることを売りにしてました。『いざか族』って言葉もありました。その言葉は定着しなかったみたいですけど、居酒屋に子連れというのは珍しくありません」
コロナ禍以前から居酒屋チェーンはファミレス化を進めていた。改正健康増進法以前から店内全面禁煙、もしくは分煙を進め、キッズメニューも充実させた。
「昼間に居酒屋は家庭の問題ですから店側がどうこういう筋合いはありません。でも深夜はだめです。それでも23時以降に平気で子どもを連れて来る親がいます。みなさん事情はあるのでしょうが、うちとしては入れるわけにはいかないのです」
断ると怒る親もいるか。
「いますよ。親がいいって言ってるだろと、すごまれたこともあります。でも違反ですから」
スナックのママ「11時以降の子連れが飲み屋はだめ」
それでも、飲み屋に子連れというのは「家庭の問題」、それが「教育方針」という親もある。しかし昼間であっても「子どもを連れて飲み屋に行くべきではない」という家庭もある。いわゆる「モラル」の問題となるが、これについても都内の私鉄沿線でスナックを経営する女性に話を聞いた。
「うちはランチとかやってますからね、子連れのお母さんとか来ます。それは構わないけど、夕方からの通常営業でお子さん連れはお断りしています。他のお客さんがいい顔しませんから。夜7時とか、赤ちゃん連れて来る方もいましたが、申し訳ないですけど帰ってもらいました」
19時なら法的には問題ないが、この場合は店の判断、ということか。