2017年8月、免税店で買い物を終え、バスに乗り込む中国からの観光客(イメージ、時事通信フォト)

2017年8月、免税店で買い物を終え、バスに乗り込む中国からの観光客(イメージ、時事通信フォト)

 ホテル周辺では、派遣されてきた女性だけでは満足できないのか、外に出てきて地元住民に「よい店はないか」と聞き回ったり、日本人女性をナンパする外国人男性の姿も見かけるようになったという。さらに市議が気をもんでいるのが、地元に梅毒などの性病が蔓延してしまうことだ。

「地域でも梅毒が増えており、役所や保健所とも連絡をとりあっていますが、明確にそこが感染源だと言い切るには証拠もない。観光客を受け入れようにも、地元に何の恩恵もないどころか、元からあった市内の風俗事業者からさえの恐怖の声が上がっているそうです」(地元市議)

 実際、都内の風俗店経営者の元には、主に中国や韓国、台湾などのツアー会社から、ひっきりなしに問い合わせが入っているという。

「外国人観光客を相手にするのは、女性にとっても確かにリスクがありますが、金払いが良かったり、日本人相手よりも気が楽だ、という女の子もいる。梅毒流行の原因がインバウンドかどうかは知りませんが、コロナ禍では、日本人の女の子が、外国人客を求めて香港や中国に渡っていたわけですから、そこで感染して帰国して広まった、という可能性もあるでしょうね。また観光客が増え、私たちにとっては大変な商機で、病気が云々というのは…正直気にしていません。当事者同士の問題ですから」(都内の性風俗店経営者)

「梅毒患者が増え続けている」といわれて、もう10年近くが経過しようとしている。その間、国の機関や自治体は市民に「注意喚起」を行うだけで、その原因を究明したり、感染がいつどこで起きているのか、追及しようとはしていない。前出の検査スタッフ・西岡さんがつぶやく。

「検査数が増えれば、確かに我々の仕事は増え、食いっぱぐれもなくなるでしょう。しかし、この数年の国や自治体の姿勢を見ていると、ほとんどノーガードに近く、インバウンド復活でさらなる感染爆発が起きてしまえば、社会は本当に大変なことになる」(西岡さん)

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