そんな存在感抜群の伯桜鵬だが、「出る杭は打たれるというか、『立ち合い』について指摘を受けることが多いのが、“弱点”になってくるのではないか」(協会関係者)との声もある。
「幕下の時から伯桜鵬に対しては“待ったが多い”“立ち合いを合わせない”といった審判部の指摘が出ていた。それらと合わせて、出世が早すぎて作法を学ぶ時間がないということなのか、“着物の着こなしがなっていない”という駄目出しも聞こえてきました」(同前)
立ち合いを合わせず、待ったも多いという指摘は、十両、幕内になっても続いているという。前出・協会関係者が続ける。
「それも駆け引きのつもりなのかもしれないが、審判部のブラックリストに載っているような状況です。12日目の阿炎戦では、立ち合いで伯桜鵬が2度(阿炎が1度)突っ掛けて、打ち出し後に審判部から呼び出されて注意を受けていました。審判部から“合わせようという気持ちがなく、あえて突っ掛けている”と指摘されていたが、来場所以降もマークされるでしょう」
また、前出・担当記者は対戦相手の「天敵」として、武隈部屋の豪ノ山の名前を挙げる。
「7月場所は一矢報いましたが、これまで十両時代に3敗しています。5月場所の伯桜鵬(当時は落合)は十両で14勝1敗の成績を残していますが、唯一敗れた相手が豪ノ山だった。それも、押し相撲の豪ノ山を得意の左四つに組み止めながら、押し倒されてしまうという一番でした。14勝1敗同士で豪ノ山と優勝決定戦になったが、そこでも全く相撲を取らせてもらえずに押し出されてしまった。3月場所も突き落としで完敗でした」(前出・担当記者)
豪ノ山も令和になって初土俵を踏んだ25歳の新鋭。令和の怪物が来場所以降、ライバルにどう対峙していくのか、見ものとなる。
※週刊ポスト2023年8月11日号