スポーツ

【甲子園で旋風】脱丸刈りの慶応高校、「ごく普通の髪型が異端になるのは時代錯誤としか思えない」

甲子園出場を果たした勝児さん(時事通信フォト)

さわやかな髪型の慶應の選手たち(時事通信フォト)

 夏の高校野球・甲子園大会で慶應義塾高校(神奈川県)が注目を集めている。選手の髪型は高校野球に多い丸刈りではなく、短髪やツーブロックなど自由だ。神奈川県在住の作家の甘糟りり子さんも慶應を応援する一人。甘糟さんが、丸刈り強制など“古い野球体質”への見解を綴る。

 * * *
 夏の高校野球・甲子園大会ではいつも地元の神奈川県代表を応援している。今年はもちろん慶應義塾高校にテレビの前で声援を送っている。理由は地元だけでなく、「髪型自由」「長時間練習しない」「エンジョイ・ベースボール」というスタイルに大いに共感したから。監督の森林貴彦さんは、選手たちに「監督」ではなく「森林さん」と呼ばせているそうだ。県庁所在地のある横浜は港町。風通しのいい、肩の力が抜けた雰囲気が我が神奈川県らしいと私は思っている。

 ご存知の通り、神奈川県の高校野球の予選は激戦区だ。横浜高校や東海大相模、桐蔭、桐光、それに法政二高やY校(横浜商業)などの強豪校がずらりと揃っている。参加校の数は2番目(今年は167校、1位は愛知の173校。ちなみに一番少ないのは鳥取と高知の23校)。東京のように東と西に分ければいいのにとも思うけれど、強豪校のほとんどは東に集中しているので、それもまた不公平になってしまうかもしれない。

 そして、神奈川の場合、横浜高校の松坂大輔がそうだったように、他県から甲子園のために有力選手が入学してくる野球校が少なくない。というか、代表になるのはほとんどが野球校のはず。私の住む鎌倉には鎌倉学園という野球が強い男子校があって、県予選ではいいところまでいくのだが、なかなかこの激戦区を制して甲子園に行くまでは辿り着けていない。そんな中、“非野球校”で坊主頭ではない慶應高校が代表を勝ち取ったのはすごいなあと思うし、痛快でもある。

 慶應高校は坊主を禁止しているわけではない。ボールが見えなくなるほどの前髪や、投げると帽子が落ちてしまうほどの長髪は禁止だが、あくまでも選手の自主性に任せている。坊主にしたい人はしてもいい、ということらしい。中継を見る限りでは、みんなほどよい長さの髪型をしていた。街を歩く若者だとしたら、ごく普通の髪型である。それが高校野球というフィールドになると異端になってしまうのは時代錯誤としか思えない。サッカーにしてもバスケにしても陸上にしても、みんな揃って坊主頭なんてスポーツは他にないのではないだろうか。

関連記事

トピックス

中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
高校時代にレイプ被害で自主退学に追い込まれ…過去の交際男性から「顔は好きじゃない」中核派“謎の美女”が明かす人生の転換点
NEWSポストセブン
スカイツリーが見える猿江恩賜公園は1932年開園。花見の名所として知られ、犬の散歩やウォーキングに訪れる周辺住民も多い(写真提供/イメージマート)
《中国の一部では夏の味覚の高級食材》夜の公園で遭遇したセミの幼虫を大量採取する人たち 条例違反だと伝えると「日本語わからない」「ここは公園、みんなの物」
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《死刑執行》座間9人殺害の白石死刑囚が語っていた「殺害せずに解放した女性」のこと 判断基準にしていたのは「金を得るための恐怖のフローチャート」
NEWSポストセブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
『国宝』に出演する横浜流星(左)と吉沢亮
大ヒット映画『国宝』、劇中の濃密な描写は実在する? 隠し子、名跡継承、借金…もっと面白く楽しむための歌舞伎“元ネタ”事件簿
週刊ポスト
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン
山本アナ
「一石を投じたな…」参政党の“日本人ファースト”に対するTBS・山本恵里伽アナの発言はなぜ炎上したのか【フィフィ氏が指摘】
NEWSポストセブン
今年の夏ドラマは嵐のメンバーの主演作が揃っている
《嵐の夏がやってきた!》相葉雅紀、櫻井翔、松本潤の主演ドラマがスタート ラストスパートと言わんばかりに精力的に活動する嵐のメンバーたち、後輩との絡みも積極的に
女性セブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン