甲子園出場を果たした勝児さん(時事通信フォト)

甲子園出場を果たした清原和博の次男・勝児さん(時事通信フォト)

「高校野球=丸坊主」はステレオタイプの先入観

 そんな慶應校野球部に対して、「髪を切って出直してこい」というヤジが飛ぶこともあるという。きっと、高校野球=丸坊主、球児たるもの歯を食いしばって監督の命令に従うもの、というステレオタイプの先入観から抜け出せない古い考えの人に違いない。私は偏見を持ちすぎだろうか。

 スポーツはたいてい好きだけれど、体育会的精神が苦手だ。集団で個人を支配しようとするのは軍隊に通じるものがあると思う。

 16日、慶應義塾は広島代表の広陵を破ってベスト8に進出した。広陵は戦前から甲子園に出場しており、プロ野球選手をたくさん排出している名門校。どちらが勝ってもおかしくはない、すばらしい試合だった。慶應が初回に2点を先制、3回にも1点を取りリードするものの、広陵は3回6回7回に1点ずつ点を重ね、ついに同点、延長のタイブレークとなった。ランナーが出ても両チームともきっちりした守備でなかなか大崩れはしなかったのだが、10回、慶應の攻撃でセカンドゴロを悪送球の後にヒットで3得点、接戦に勝った。慶應は3投手の継投、広陵は先発したエースが投げ切った。ヒットは慶應8に対して、広陵は13。

 試合後、森林さん(監督と呼ばずに私もそう呼ばせてもらう)はインタビューで、「守備で目標にしているのはビッグイニングを作らないこと」と話した。この試合でも、1点ずつ取れられて同点に追いつかれたが「同点は想定していた」そうだ。三投手の継投について、三番手の投手が春の選抜ではタイブレークで登場し、4失点したことに触れ、「彼はくやしい思いをした。彼がこれまでやってきたことを証明するにはここがいいと思い、信じて送り出した」。冷静で戦略的なのに、選手の気持ちを汲み取っていて、かっこいい。これから理想の上司アンケートで名前が上がりそうだ。

 子供たちの野球人口の減少が度々話題になる。坊主頭とそれに象徴される古い体育界体質から脱却することが初めの一歩ではないかと思うのは私だけだろうか。

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