──あのネタの、どのあたりがマニア向けだったのですか。
相田:お笑い好きじゃなきゃ、ダウ90000とか、佐久間(宣行)さんとかの名前を出しても、わからないじゃないですか。
小宮:普段、営業とかでやるネタは一般のお客さんを意識して作っているんですけど、流れ星さんの方が一般客ウケするのは間違いない。なので、同じ土俵で戦っても勝ち目はないんで、そこは思い切って3人しか客が入っていないインディーズライブでやるようなマニアックなネタをぶつけていったんです。
──それにしても流れ星戦のときのウケ方はすごかったですよね。予選、決勝を通じて、今大会最高となる290点をマークして、流れ星を退けました。客審査にいちばん強いのは、実は三四郎だったんだと思いまいした。
小宮:M-1のときは、どんなに客ウケしても固有名詞を出し過ぎたりすると審査員の印象が悪くなるみたいに言われたんですよ。玄人は、固有名詞で笑いを取るのは安易過ぎる、みたいな見方をしがちなので。ただ、あくまで芸人間の噂でしかなかったので、僕らはスタイルを変えずにやっていたんですけど。THE SECONDは、そのあたりはまったく関係なくやれる感じはしましたね。
──キングオブコメディ(メンバーのうち一人が不祥事を起こし、解散したお笑いコンビ)の名前を出したときは、会場が揺れていましたもんね。
小宮:勝負のあと、流れ星のたきうえさんに「決勝では言えないでしょ」って言われたんですけど、予選だからいいかなと思ったんですよ。審査員はお客さんなので。プロの審査員だったら、このネタは決勝では使えないから落とそうみたいなジャッジをすることもありますが、お客さんはそこまで考えないじゃないですか。おもしろかったら、それを純粋に評価してくれる。だから、ある意味、言ったもん勝ちなんです。決勝では言えるかはわからなかったですけど、流れ星に勝たなきゃと思っていたので、とにかく言っちゃえ、って。
──でも、決勝でも言ってましたよね。
小宮:事前に台本を提出したんですけど、ゴーサインが出ていたので。
相田:キングオブコメディアンというコンビ名なのに、勘違いして、キングオブコメディと言ったと勘違いしていたというオチはつけましたけど。
小宮:いちおう、保険だけはかけておきました。プロとして。
【後編に続く】