今回、小松原選手は左右の卵巣から6個の卵子を採卵し、そのうち成熟した5個を凍結。初診から術後診察まで2週間を要し、計4回通院。費用は約40万円だった。
「採卵の手術をした日は10時間ほど寝ました。痛みはほとんどなく、翌日は兄とズンバを踊れたほど(笑い)。できればもう少し凍結したかったですね。また来シーズンのオフになって、そうしたいと思ったなら、追加で採卵します」(小松原選手)
2020年に体外受精などの生殖補助医療を経て生まれた子供は6万381人。総出生数の約14人に1人の割合だ。東京都では2024年度から健康な女性の卵子凍結を本格的に支援する予定で、行政による支援は、都道府県としては初の取り組みとなる。女性の社会進出で晩婚化や高齢出産が進むいま、卵子凍結が女性の権利として当たり前になる日はそう遠くないかもしれない。
【プロフィール】
小松原美里(こまつばら・みさと)/フィギュアスケート・アイスダンス日本代表。パートナー・小松原尊(ティム・コレト、32才)選手と2017年に結婚。2022年には北京五輪に出場し、団体戦で銅メダルを獲得。2026年ミラノ・コルティナ五輪出場を目指す。
取材・文/伏見友里 撮影/楠聖子
※女性セブン2023年9月7日号