芸能

『最高の教師』『ブラッシュアップライフ』『東リベ』…エンタメ界で「○周目の人生」が増える背景と危うさ

松岡茉優

『最高の教師』に主演する松岡茉優

 今、エンタメ作品で増えている設定が「○周目の人生」だ。ドラマや映画ではタイムリープなどにより、主人公が人生をやり直すことでさまざまなストーリーが展開していく。なぜこうした作品が増えているのか? その背景と危うさについてコラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 2日放送の第7話からドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ系)の第二章がスタートします。

 同作は主人公の教師・九条里奈(松岡茉優)と鳳来高校3年D組の生徒30人による学園ドラマですが、そのストーリーは異色。九条は卒業式の日にD組の誰かに突き落とされ、「死んでしまう」と思った瞬間、目を開けると1年前の始業式に戻っていた。九条は生徒に殺される未来を変えるために覚悟を決めて数々の問題と向き合い、2度目の1年に挑んでいく……。

 つまり教師の九条は「2周目の人生を生きている」というコンセプトの作品なのですが、第5話の終盤で生徒の鵜久森叶(芦田愛菜)も2周目の人生だったことが発覚。しかし、鵜久森は2周目の人生でもけっきょく死んでしまうところで第一章の幕が閉じました。

『最高の教師』はスタート時から、「誰かに突き落とされてタイムリープし、2周目の人生がはじまる」という設定が、漫画・アニメ・映画のヒット作である「『東京リベンジャーズ』とほぼ同じ」と言われていました。

 さらに、同じ日本テレビで今年1~3月に放送された『ブラッシュアップライフ』も「○周目の人生」がコンセプトの作品。けっきょく主人公の近藤麻美(安藤サクラ)が5周目の人生を生きるまでの姿が描かれました。

 なぜ現在のエンタメシーンでは、「〇周目の人生」を描こうとするのでしょうか。

定番の「タイムリープ」から派生

 まず把握しておかなければいけないのは、「○周目の人生」というコンセプトは、タイムリープの見せ方を変えたものであること。タイムリープは、入れ替わり、憑依、超能力などと並ぶファンタジー作品の定番設定であり、昭和のころから多くのドラマが放送されてきました。

 なかでも、「最も多い」と言われているのが、タイムリープを扱った作品。だからこそタイムリープそのものではなく、「○周目の人生」という意味合いをフィーチャーすることで、見せ方を変えている様子がうかがえます。

関連キーワード

関連記事

トピックス

「夢みる光源氏」展を鑑賞される愛子さま
【9割賛成の調査結果も】女性天皇についての議論は膠着状態 結婚に関して身動きが取れない愛子さまが卒論に選んだ「生涯未婚の内親王」
女性セブン
勝負強さは健在のDeNA筒香嘉智(時事通信フォト)
DeNA筒香嘉智、日本復帰で即大活躍のウラにチームメイトの“粋な計らい” 主砲・牧秀悟が音頭を取った「チャラい歓迎」
週刊ポスト
『虎に翼』の公式Xより
ドラマ通が選ぶ「最高の弁護士ドラマ」ランキング 圧倒的1位は『リーガル・ハイ』、キャラクターの濃さも話の密度も圧倒的
女性セブン
羽生結弦のライバルであるチェンが衝撃論文
《羽生結弦の永遠のライバル》ネイサン・チェンが衝撃の卒業論文 題材は羽生と同じくフィギュアスケートでも視点は正反対
女性セブン
“くわまん”こと桑野信義さん
《大腸がん闘病の桑野信義》「なんでケツの穴を他人に診せなきゃいけないんだ!」戻れぬ3年前の後悔「もっと生きたい」
NEWSポストセブン
中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
中森明菜
中森明菜、6年半の沈黙を破るファンイベントは「1公演7万8430円」 会場として有力視されるジャズクラブは近藤真彦と因縁
女性セブン
食品偽装が告発された周富輝氏
『料理の鉄人』で名を馳せた中華料理店で10年以上にわたる食品偽装が発覚「蟹の玉子」には鶏卵を使い「うづらの挽肉」は豚肉を代用……元従業員が告発した調理場の実態
NEWSポストセブン
撮影前には清掃員に“弟子入り”。終了後には太鼓判を押されたという(時事通信フォト)
《役所広司主演『PERFECT DAYS』でも注目》渋谷区が開催する「公衆トイレツアー」が人気、“おもてなし文化の象徴”と見立て企画が始まる
女性セブン
17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン
昨年9月にはマスクを外した素顔を公開
【恩讐を越えて…】KEIKO、裏切りを重ねた元夫・小室哲哉にラジオで突然の“ラブコール” globe再始動に膨らむ期待
女性セブン