中田翔の居場所は限られる
来季もサード・坂本、ショート・門脇の布陣で戦うとなれば、4番の岡本和真はこれまでの定位置だったサードではなく、現在のようにファーストを守ることになるだろう。となると、中田翔が宙に浮く。
「プロ野球界全体がそうですが、特に巨人の場合、いくら実績のある選手でもチーム事情に押し出されて控えになる例は珍しくない。中田は無償トレードでの移籍ですが、かつてFAで三顧の礼で迎えられた広澤克実や清原和博なども、時間が経つうちにその居場所を失っていった。坂本がサードで1シーズン怪我なく過ごせれば、中田の出番は大幅に減るでしょう」
中田は体調不良のため、9月1日に登録抹消に。9日に二軍のヤクルト戦で途中からファーストに入って実戦復帰をしたものの、まだ一軍昇格していない。今季は開幕から絶好調だったが、5月4日に右太もも裏の肉離れを起こし、翌日に戦線離脱。3週間で復帰したが、2割5分7厘、13本塁打、33打点が現状の成績になっている。
「中田が来季のスタメンを勝ち取るには、岡本以上に打てるようにならなければならない。そうでなければ、外野を守ることも視野に入れなければならないでしょう。ただ、レフトには中田を師と仰ぐ秋広がいる。秋広は秋季キャンプ以降、ライトも練習するかもしれませんが、守備力を考えた場合、レフト・中田、ライト・秋広は不安が募る。打線全体のバランスを考えると、ライトには走力もある梶谷隆幸を置く選択肢もあるし、外国人選手も獲得するでしょう。指名打者制のないセ・リーグでは中田の居場所は限られます。オフに原監督が再びDH制の導入を提言する可能性もありますね」
中田が控えに回らざるを得ないほど野手陣が充実してきた巨人。来季、4年ぶりの優勝を目指すだけの戦力は整いつつある。