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化粧品の最新トレンド、外出機会が増えてポイントメイクとスキンケアが人気に、富士経済が発表

(写真/イメージマート)

メイクの機会が増える(写真/イメージマート)

 新型コロナウイルス感染症の流行のために定められた行動制限が終わり、人々がマスクを着用する機会が減っている。この変化により化粧品の需要が高まっている。中でも低価格帯ポイントメイクと高価格帯スキンケアが人気だという。富士経済が2023年9月1日に発表した。

コロナ後、メイクのトレンドとは?

 ヒフコNEWSは、これまでも美容関連の話題の一環として化粧品市場の変化についてウオッチしてきた。例えば、コロナウイルス流行の影響で基礎化粧品のニーズが高まる、韓流メイクが人気になるといった動向を伝えている。

 2022年は転機を迎えているようだ。2022年3月以降、行動制限が緩和され、外出機会が増え、化粧品に対するニーズも変化している。日本への観光客も再び増え、インバウンド需要も回復している。

 富士経済によると、2022年、日本で化粧品に使われる金額は前年比2.9%増の2兆9310億円に増え、2023年は3.3%増の3兆276億円に広がると推測されている。注目されるトレンドが2つあるという。

 一つは手頃な価格帯のポイントメイク用アイテム。2022年、マスクしても付着しづらいリップカラーがヒット。涙袋メイクのテクニックが注目されて、メイク方法を合わせたアイテムが幅広い年代に受け入れられたという。さらに、手頃な価格帯のポイントメイクでは、韓国ブランドの展開も活発になっている。

 今後も手頃な価格帯のポイントメイクの需要が高まる見込みだ。マスク着用が個人判断になり、マスクをしない人も増える中で、リップカラーを使う人が増えると見込まれている。韓国や中国、メーカー直販のDTCブランドも好調で、引き続き拡大するという。低価格帯ポイントメイクに使われる金額は2022年に前年比11%増の1312億円、2023年には8.2%増の1419億円になるという。

 もう一つのトレンドは、高級価格帯のスキンケア。2022年は、自宅を出て百貨店で買い物する人が増えたほか、美白ニーズの高まりで美白美容液が人気となった。外資ブランド、国内美容液がPRを積極的にし、洗顔料などをきっかけにしたブランドの浸透などの動きも目立った。2023年には、シミ予防やシワ改善、マスク長期化によるたるみのケアのため、さらに人気になるという。このカテゴリーに使われるお金は22年には前年比4.1%増の4705億円、23年は3.1%増の4849億円になるという。

ヒアルロン酸が認知度1位

 富士経済では、640人を対象とした消費者アンケートも行い、化粧品成分の認知度および韓国コスメの購入実態についても調べている。ランキングは次の通りで、認知度の高い成分の1位はヒアルロン酸、韓国コスメは若い世代を中心に広がっているのが分かる。

◆順位/成分/認知度

1位 ヒアルロン酸 74.5%
2位 コラーゲン 73.0%
3位 セラミド 62.5%
4位 ビタミンC誘導体 58.1%
5位 ハトムギエキス 53.4%
6位 レチノール 50.5%
7位 ドクダミエキス 33.1%
8位 シカ 30.8%

◆購入したことがある/購入したことはない

全体 42.5% 57.5%
20代 61.9% 38.1%
30代 40.0% 60.0%
40代 38.1% 61.9%
50代 30.0% 70.0%

 メイクアップをする人は継続的に増えていきそうだ。スキンケアの人気も衰えそうにはなく、ヘアケアでは夜間美容のコンセプトが受け入れられるといった新しい動きもある。コロナ流行の期間から大きな変化が見られそうだ。

参考文献

化粧品総市場と価格帯別の動向を総括

コロナ・パンデミックが世界の美容を変えた、その背景に韓国美容のトレンド

男性美容が再びの盛り上がり、コロナ規制解除きっかけ、メンズ韓国コスメにも関心

【プロフィール】
星良孝/ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表、獣医師、ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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