コンビニエンスストアのレジで使用されるバーコードによる商品情報の読み込み(イメージ、時事通信フォト)

コンビニエンスストアのレジで使用されるバーコードによる商品情報の読み込み(イメージ、時事通信フォト)

「なんか抵抗あるね。金払ってるのに泥棒してるみたいな感じだし、店員に見られてるし。間違って万引き犯にされても困るし、人生残り少ないから慣れなくていいかな、普通のレジ(有人レジ)で買うよ」

 言い分はそれぞれ、じつに率直な意見をいただいた。セルフレジだけでなく銀行のATMや外食チェーンの受付機なども同様だと話してくれた。ちなみに「ピッピ」とはハンドスキャナーのこと。筆者の今は亡き大正生まれの祖父はゲーム機をすべて「ピコピコ」と表現していた、そういった感じの「ピッピ」である。もちろん正式名称ではない。

 ともあれ、こうした意見の数々を高齢者の好き勝手な意見、と思う人もあるかもしれないが、高齢者にしかわからない視点、というのもある。子どもや高齢者、障害者などの視点に立って彼らを排除しない、むしろ彼らが私たちと同じ行動をとれるような努力こそ「ノーマライゼーション」の精神だと思うが、理念はともかく現実はなかなか難しい。

 高齢者だけの話だけでなく、セルフレジはガラガラで有人のレジに列が連なるという光景は目にする。別の都内に勤める30代男性の話。

「やましくなくても嫌ですね。私の地元のスーパーはセルフレジの場所が変わってサービスカウンターと隣り合わせになりました。そこから店員に見られてるわけですが、説明を求められたり何かあったら駆けつけたりするためなんでしょうけど、気分はよくない」

 人それぞれなのだろうがこうした意見もある。別の20代女性会社員は一言。

「めんどくさいので(店員さんに)打ってもらう」

 とのこと。このようにセルフレジがむしろ面倒だったり、なんとなく後ろめたかったり(これは本当にひとそれぞれでしかないのだが)という人もいて、実際に有人レジばかりが混む店が多いのもまた、客の素直な「選択」なのだろう。

 別の編集プロダクション勤務の40代男性は日常の見えない、新たな「プレッシャー」だと語った。

「後ろに並ばれると、まさに『来たなプレッシャー』ですよ。某牛丼チェーンの複雑怪奇な券売機といっしょです。1台しかなくて、お昼時で自分の後ろにズラッと並ばれると『来たなプレッシャー!』って感じです」

 その某牛丼チェーンの券売機、当初はあまりの使い勝手の悪さに筆者も困惑した記憶がある。最近は改善されたように思うが、確かにプレッシャーと感じる場面はあるように思う。セルフレジも、人によってはそうなのだろう。

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