JR原宿駅前に2020年オープンした「ユニクロ原宿店」の店内に設置されたセルフレジ(時事通信フォト)

JR原宿駅前に2020年オープンした「ユニクロ原宿店」の店内に設置されたセルフレジ(時事通信フォト)

ダメなハンドスキャナーは店員でもイライラする

 店側としてはどうだろうか、拙ルポ『元セルフレジ案内係の告白「他人を見張ることが辛くなって辞めました」』の元スーパー店員に再び話をうかがう。少し前の経験とはいえセルフレジの客を「監視」していたこともあるだけに、さまざまなケースを知っているはずだ。

「以前も話した通り、店による話なのですが、あくまで私の経験からすると高齢者の方で苦戦する方は多いですね。少量を買うときはセルフレジのほうが早いとはいえ、その少量を買うのに苦戦する。でもね、たとえばビール缶の6本パックとか、外側の包装材にバーコードがついてますけど缶にもバーコードはあるわけです。うっかり缶のほうだけスキャンして1本の価格になっちゃうとか、読み取り機によってはある話なんです。セルフレジが急激に増えてますけど、メーカーの中には追いついてないというか、昔の有人レジ前提のまんまパッケージを作ってるメーカーもある、という面はあると思います」

 高齢者の感想として「あんなにスキャンが難しいとは思わなかった、素早く読み取るレジの店員さんって実は凄かったのね」という意見もあった。

「ハンドスキャナーは案外コツがいります。個体差もあったりします。ダメなハンドスキャナーは店員でもイライラしますよ。ただ店員は慣れてますから、手打ちはもちろん商品のバーコードの位置をだいたい把握しているというのも早い理由だと思います」

 筆者もどうにも読まないハンドスキャナーをずっと置いているコンビニを知っている。セルフレジは1台、おかげで有人レジがフル稼働だが、そこのハンドスキャナーは本当にダメで、たまに途中であきらめて有人レジに並ぶ客の姿を見ることがある。文句を言ってる客もいたが改善は見られない。

「まあ、事情はあるのでしょうけど置いてるだけになっているのでしょうね。でも感度が良すぎると二度打ちになる可能性もありますからね」

 もちろん二度打ちの再確認は機械から求められるが、うっかりはありそうだ。

「様々な年齢や事情のお客さんが使うわけですから、その辺の加減は難しいところでしょう。ハンドスキャナーでない、商品そのものをかざすだけのスキャナーだと楽なんですけどね、あれはいいですよ。感度良すぎて二度打ちとか、さっきの6本パックみたいなことがあったりしますけど、早さや気軽さで言ったらハンドスキャナーよりはいいと思います」

 セルフレジで手間取ると後ろに並ばれてつらいという声もあった。

「本当にお客さんは色々ですからね。ちょっとでも遅いと舌打ちとか、「早くしろ」って声を上げる人もいましたよ。もう少し気持ちの余裕があってもいいのにな、と思うこともありました。ただスーパーの扱う品数は膨大ですからね、バーコードの位置も色々、野菜なんかだと手打ちもある。ユニクロさんみたいに商品そのものが自社開発で、品数も限定されていればカゴに入れたまま全部スキャンされて精算なんてこともできるんでしょうけど」

 ユニクロのRFID(※Radio Frequency Identification、無線周波数識別)を使った進化型のセルフレジ、あれは本当に凄いと思う。複数の商品を一気に読み取ってくれる。系列のGUでもボックスに商品を入れるだけで読み取ってくれる。RFIDタグはすでに導入されて何年も経っているが、スーパーやコンビニではやはり様々なメーカー商品、中にはバーコードのない商品も混在するとあって難しいのだろう。

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