芸能

【怪獣退治は金がかかる】NHK『タイムスクープハンター』演出が仕掛けたロボットアニメの新境地【短期連載・てれびのスキマ「『フェイク』のつくりかた」】

“経済的に正しい”ロボットヒーロープロジェクト『ブルバスター』は10月4日放送開始 ©P.I.C.S.・KADOKAWA刊/波止工業動画制作部

“経済的に正しい”ロボットヒーロープロジェクト『ブルバスター』は10月4日放送開始 (C)P.I.C.S.・KADOKAWA刊/波止工業動画制作部

 2009年に要潤が主演した歴史エンターテインメント番組『タイムスクープハンター』(NHK)の脚本と演出を務めた中尾浩之氏が、10月より放送のTVアニメ『ブルバスター』で原作を手掛けるという。「等身大の普通の人々が活躍するものを描きたかった」と語る彼に、新しいロボット作品の新境地を訊く。

 聞き手は、『1989年のテレビっ子』『芸能界誕生』などの著書があるてれびのスキマ氏。現在、ネットで話題の「フェイクドキュメンタリー」に意欲的に取り組んできたテレビ番組の制作者にインタビューを行なう短期シリーズの第2回【前後編の前編。文中一部敬称略】。

 * * *

巨獣の駆除につきまとう“経済的な問題”に注目

 10月4日より、TOKYO MXなどで放送が開始されるアニメ『ブルバスター』。害獣駆除会社「波止工業」の社員たちが正体不明の生物「巨獣」と戦うロボットヒーローものであるが、この作品が特異なのは「経済的に正しい」をコンセプトにしているところ。主人公たちは、巨獣とともに現実=コストとの戦いも強いられる。

 本作の原作を務めているのは、NHKで放送されたフェイクドキュメンタリー『タイムスクープハンター』を手がけた中尾浩之。このコンセプトが生まれた経緯を中尾は次のように語る。

「『タイムスクープハンター』でも有名な戦国武将ではなく、市井の人々を描いたんですけど、今回の『ブルバスター』も、特殊な能力を持つヒーローとか防衛軍とかではなく、等身大の普通の人々が活躍するものを描きたかったんです。だからロボット作品を作りたいというよりは、弱小企業の人たちがどのようにして、大きな敵に立ち向かっていくのかという話をやりたいと思って、それにロボットの要素をつけたという感じです。

 僕らも会議に向かう電車が遅延して会議に遅れそうになって、先方に連絡しようと思ったらケータイの充電が切れちゃったみたいな“事件”が日常に起こるじゃないですか。そういうものをロボットものに持ち込んだら新しいものが生まれるんじゃないかって」

関連キーワード

関連記事

トピックス

「ビッグダディ」こと林下清志さん(60)
《多産DVを語ったビッグダディ》「子どもができたら勝手に堕ろすんじゃないぞ」4男6女の父として子供たちに厳しく言い聞かせた理由
NEWSポストセブン
女児盗撮の疑いで逮捕の小瀬村史也容疑者(37)。新たに”わいせつ行為”の余罪が明らかになった
「よくタブレットで子どもを撮っていた」不同意わいせつ行為で再逮捕の小瀬村史也容疑者が“盗撮し放題だったワケ” 保護者は「『(被害者は)わからない』の一点張りで…」
NEWSポストセブン
成年式を控える悠仁さまと第1子を出産したばかりの眞子さん(写真・右/JMPA)
眞子さん、悠仁さまの成年式を欠席か いまなお秋篠宮家との断絶は根深く、連絡を取るのは佳子さまのみ “晴れの日に水を差す事態”への懸念も
女性セブン
ボニー・ブルーとの2ショット(インスタグラムより)
《タダで行為できます》金髪インフルエンサー(26)と関係を持った18歳青年「僕は楽しんだから、被害者になったわけじゃない」 “捕食者”との批判殺到に反論
NEWSポストセブン
2人は結婚3年目
《長髪62歳イケオジ夫との初夫婦姿》45歳の女優・ともさかりえ、3度目の結婚生活はハッピー 2度の離婚を乗り越えた現在
NEWSポストセブン
オーナーが出入りしていた店に貼られていた紙
「高級外車に乗り込んで…」岐阜・池田温泉旅館から“夜逃げ”したオーナーが直撃取材に見せた「怒りの表情」 委託していた町の職員も「現在もまだ旅館に入れない」と嘆き
NEWSポストセブン
記者の顔以外の一面を明かしてくれた川中さん
「夢はジャーナリストか政治家」政治スクープをすっぱ抜いた中学生記者・川中だいじさん(14)が出馬した生徒会長選挙で戦った「ものすごいライバル候補」と「人心を掴んだパフォーマンス」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博内の『景福宮』での重大な疑惑が発覚した(時事通信)
《万博店舗スタッフが告発》人気韓国料理店で“すっぱい匂いのチャプチェ”提供か…料理長が書いた「始末書」が存在、運営会社は「食品衛生上の問題はなかった」「異常な臭いはなかった」と反論
NEWSポストセブン
63歳で初めて人生を振り返った俳優・小沢仁志さん
《63歳で初めて人生を振り返った俳優・小沢仁志》不良役演じた『ビー・バップ』『スクール☆ウォーズ』で激変した人生「自分の限界を超える快感を得ちまった」
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがニューシングル『Letter』をリリース(写真・左/AFLO、写真・右/Xより)
羽生結弦の元妻のバイオリニスト・末延麻裕子さん、“因縁の8月”にニューシングル発売 羽生にとっては“消せない影”となるのか 
女性セブン
雅子さまのご静養に同行する愛子さま(2025年8月、静岡県下田市。撮影/JMPA) 
愛子さま、雅子さまのご静養にすべて同行する“熱情” そばに寄り添う“幼なじみ”は大手造船会社のご子息、両陛下からも全幅の信頼 
女性セブン
猫愛に溢れるマルタでは、動物保護団体や市民による抗議活動が続いているという(左・時事通信フォト)
《深夜に猫地面にたたきつける動画》マルタで“猫殺し”容疑で逮捕の慶應卒エリート・オカムラサトシ容疑者の凶行と、マルタ国民の怒号「恥を知れ」「国外に追放せよ」
NEWSポストセブン