今や八冠(時事通信フォト)
小学4年生で司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を読破し、愛読書は村上春樹の『遠い太鼓』や沢木耕太郎の『深夜特急』。抜群の思考力と熱い感情を併せ持つ少年棋士は家族から豊かな感性も与えられた。
「聡太くんのご両親は将棋を指さず、趣味は音楽です。お母さんは小さい頃にバイオリンとビオラを習っていて、いまでもママ友とアマチュアオーケストラに参加しています。一方のお父さんはジャズの愛好家でレコード集めが趣味。どこか芸術家っぽい聡太くんの振る舞いは、音楽好きなご両親の影響もあるのでしょうね」(前出・藤井家の知人)
母方の祖母である育子さんも藤井の人格形成に大きく関与したようだ。
「育子さんは短歌誌『コスモス』で活動する歌人で、聡太くんが幼い頃から『勝っておごるな、負けて腐るな』と諭していました。聡太くんが数々のタイトルを取って20才を迎えたときも浮かれることなく、『これだけ注目されて、これからが大変よ』と孫の行く末を案じていました。そうしたおばあちゃんの教えは聡太くんの心に刻まれているはずです」(前出・藤井家の知人)
八冠達成で対局料や賞金をあわせた藤井の年収は将棋界初の2億円超えともいわれるが、祖母の不安をよそにその金銭感覚は地に足がついている。
「お金には無頓着で、一切無駄遣いしません。超がつくほどの倹約家で、以前『自動販売機でジュースを飲むと贅沢をしたと感じる』と話していて、びっくりさせられました」(将棋関係者)
※女性セブン2023年11月2日号