「早起きになり『掃除が終わってもまだ午前9時。一日が長い』と話しています。その分の時間をどう有効活用するか考えることが楽しいんだとか」(前出・テレビ局関係者)
風邪を引きにくくなった
酒豪として名をはせていた2人が、なぜ近年ソバーキュリアスに目覚めたのか。
「飲まないメリットに気づいたことがきっかけでしょう」と話すのは、横浜市立大学附属病院国際臨床肝疾患センター長の米田正人さん。若者から広まったソバーキュリアスだが、萬田が《熟睡できるようになった》と語るように、50代以上の女性にも大きな効果があるという。
「まず大前提として年齢を重ねれば重ねるほど、アルコールが体に与えるダメージは大きくなる。よくお酒を飲む人は、長年の飲酒により少しずつ肝臓にダメージが蓄積していきます。アルコールは肝臓で分解され、最終的に尿や汗となって排出されるのですが、その働きには筋肉も必要とされています。つまり、加齢に伴って筋肉量が減少すると、アルコールの分解能力も低下してしまうのです。
さらに高齢になるにつれて体内の水分量が減少するので、昔と同程度のアルコールを摂取したとしても、血中アルコール濃度が上昇して酔いが回りやすくなるのです」(米田さん・以下同)
年齢を重ねてお酒に弱くなったと感じるのは、気のせいではなかったのだ。お酒を断つことのメリットは、年齢を重ねるほど感じることができるという。
「寝酒をすると、眠気が強くなり入眠はしやすくなりますが、睡眠自体は浅くなり、次の日まで疲れが残ってしまう。さらに年齢を重ねると睡眠が浅くなりがちな上に、飲酒による利尿作用により睡眠の後半に喉が渇いてしまい、目が覚めてしまうことも多くなります。質のよい睡眠のためには、お酒を断つことがいちばんの近道だと言えます」
また、アルコールが筋トレの効果や筋疲労の回復を妨げる可能性も指摘されている。
「アルコールは、筋肉や骨を形成する成分の分泌を抑制し、筋肉の分解を促す成分の分泌を促進するので、筋トレには逆効果でしょう」
米田さんいわく、習慣的に飲酒している人は、アルコールの影響で体内におけるビタミンの吸収機能が低下し、アルコールを分解する際に必要となるビタミンB1やビタミンCが不足しがちだという。
「これらの栄養素には疲労回復、風邪の早期回復、免疫力アップ、肌荒れ改善などの効果がある。断酒をすることで、肌がきれいになったり、風邪をひきにくくなったりするといった変化がみられるかもしれません」