LINEはヤクザにとって不可欠なツール
暴力団関係者の間で広まった画像。これだけ見れば新しく反社条項が加わったようにも捉えられる
取材を進めると、10月に「11月からLINEが使えなくなる!?」とSNSなどで話題になったLINEのプライバシーポリシーの変更が発端のようだ。
「10月1日、ヤフーとLINEが合併し、LINEヤフー株式会社が誕生しました。それにともないユーザーはプライバシーポリシー(個人情報保護方針)への同意が改めて必要となっていた。
実際、LINEの画面上ではLINEのキャラクターが並ぶ『プライバシーポリシー統合のご案内』という画面が表示されていたことを覚えている人も多いでしょう。これに『同意する』をタップしないと、11月以降LINEをはじめとした同社のサービスが使用できなくなってしまう可能性があると明記されていたため、騒動になってしまった」(IT雑誌編集者)
このプライバシーポリシーの変更については「個人情報保護のための方針で、利用規約の内容ではございません」(前出・コーポレートPR部)とのこと。どうやら、このプライバシーポリシーの変更が、利用規約の変更として誤って広まった結果、このような騒動が起きたとみられる。前出の二次団体幹部はこう指摘する。
「今回の騒動はヤクザがきちんと確認せずデマに踊らされたマヌケな話だけども、LINEがヤクザにとって必要不可欠な存在になっているのは間違いない。ヤクザや関係者がかかわっている事件は、いち早く当事者の名前や現場の写真・動画がLINEで転送される。こうした情報は警察やメディアにとっても貴重な情報源にもなっている。
そもそもLINEの使用でビクついているようじゃヤクザとして話にならない。ほとんどのヤクザが親族や第三者の名義でスマホを契約しているから、警察が捕まえようと思えばいつでも引っ張れるんだしな」
令和のヤクザは「情報戦」が重要と言われている。皮肉にもその情報に踊らされる形となってしまった。