3割の人が死に際に後悔するかもしれないと感じている
後悔しないために動くのに、遅すぎるということはないのだ。
「最期にやりたいことが『旅行』や『家族と過ごすこと』だった場合、お金やそばにいてくれる家族がなければ叶えられません。それでも、せめて後悔がないように、自分の思いをどこかに残してほしい。手紙でも、SNSでもかまいません。死の間際まで“私には○○がないから”と、人生を振り返ることを諦めてほしくない」(小澤さん)
残した言葉は「生きた証」となり、家族の支えや、同じ境遇の誰かの励みになる。最期まで生きることに最善を尽くせば、悔いなく人生の幕を下ろすことができるのだ。
子宮頸がんを患い、一度は最悪の事態を覚悟した経験を持つ緩和ケア医の田所園子さんも「生ききる」ことの大切さを説く。
「本当に死を意識すると、“○○がしたかった”“○○をしなければよかった”といった小さな後悔はなくなる。最後の最後に残るのはやはり、自分の大切な人たちが生きる『この世』への心残りです。
人生が一度きりなら、死も一度きり。正しい死に方なんて、生きている人は誰も知りません。だからこそ“もう思い残すことはない”と生ききることのほかに、後悔なく死ぬ方法はないと思います」
“幸せな死”も“後悔の残る死”も、いまこの瞬間の延長線上にある。いずれ必ず訪れる幕引きを後悔せずに迎えるためにも、今日という日をまず、後悔なく過ごしたい。
※女性セブン2023年11月23日号
「よい死」のための6つの条件とは?