里見八犬伝の八犬士に憧れて倉吉のまちにやってきた不思議な犬「くらすけくん」は倉吉市のイメージキャラクター。12月5日が誕生日(時事通信フォト)
今回の倉吉市と小田急の連携もその一例と見ることが可能だが、通常は自治体と鉄道会社の連携はシナジー効果が望める自社沿線もしくは自社管内での連携にとどまる。
倉吉市に小田急線は走っていないので、小田急が倉吉市の人材育成に協力しても、小田急に得られるメリットはほとんどないように見える。それでも、小田急は倉吉市の取り組みに協力している。
今回の倉吉市と小田急の連携は、これまでの沿線開発や利用者増の取り組みとは大きく異なっている。短期的に見れば、企業にとってプラスにならないだろう。しかし、倉吉市と小田急の連携は、今回で終わるわけではない。今後も取り組む内容を変えながら連携が続けられている。今回は、初めの一歩に過ぎない。
もう沿線外だからという理由で、鉄道事業者が地域活性化に協力しない時代ではない。
今後、ますます少子化が加速し、地方都市の過疎化は顕著になっていく。それだけに地方創生は長期的な視点での取り組みが求められている。果たして、小田急につづいて沿線外の自治体と連携して地方活性化に乗り出す鉄道事業者は現れるのだろうか?