空席の目立つマス席が3列分

空席の目立つマス席が3列分

1600人分空席でも満員に?

 九州場所の会場である福岡国際センターの定員は6980人。国技館の1万1098人に比べると少ないが、九州場所には「茶屋」がない。他の本場所は茶屋による購入分は販売されていなくても“売れた計算”となるが、茶屋がない九州場所はチケットの売上率で苦戦することが多く、「満員御礼」が出にくいことで知られている。相撲ジャーナリストが言う。

「かつて、相撲協会の満員御礼は他の興行に比べて厳しい基準だといわれ、チケットが95%売れないと垂れ幕が下がらなかった。それでも、若貴ブームの時などは『4人マスA席』のチケットが通常の5~10倍で取引されるなど、常に満員札止め状態だった。ところが、若貴が引退して朝青龍などモンゴル出身横綱の天下になると低迷期に入り、当時の北の湖理事長が75%のチケットが売れたら満員御礼にするようになった。さらに、コロナ禍で無観客や観客上限ができたりして、満員御礼の基準がさらに曖昧となっている現状です」

 サンケイスポーツは本場所の入場者数を掲載しているが、初日6564人(94.0%)、2日目5592人(80.1%)、3日目5590人(80.0%)と続き、6日目は6068人(86.9%)となっている。7日目に今場所初の満員札止めになって入場者数は6980人(100%)の発表となったが、それでもチラホラ空席があった。

 九州場所が行なわれる福岡国際センターの場合、空席ばかりになっている9~11列目は東、西、正面、向正面の4方向で各32席~36席ある(両端のみ3人マスで残りが4人マス)。その3列がすべて空席だと約1600人分の席が空いていることになり、会場定員の約23%にあたる。他が埋まっていれば定員の77%の客入りで75%超になるし、チケットを買ったが来られなかった人もいるということで「満員御礼」が成立するようだ。若手親方が言う。

「満員御礼になると関係者や報道陣に大入袋が配られる。最近は満員御礼になって拍子木が打たれるのと同時に、関係者に配られるものと同じ大入袋を200枚限定(1枚100円)で販売するなど、入場者の記念品のひとつになっている。満員御礼の垂れ幕が下がると相撲が盛り上がっている印象を与えるし、場内も活気づく。ある程度チケットが売れた場合は空席が目立つなかでも垂れ幕を下げるのは仕方がないのではないか」

 ガチンコ相撲が全盛の時代となり、千秋楽まで賜杯の行方がわからない戦国場所が続く。そうしたなかで、「満員御礼」の垂れ幕にまでガチンコを求めるのは野暮、ということなのだろうか。

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