杉の妻で、「知って、肝炎プロジェクト」肝炎対策特別大使を務める伍代夏子も登壇
6月に行われた「復活版杉友寄席」第1回の題名は「落語家が詐欺を斬る」。警察庁特別防犯対策監でもある杉が、落語を通じて特殊詐欺への注意喚起を促すイベントとして開催した。第1回の寄席に参加し、第2回で司会を務めた吉原は警察庁特別防犯支援官として、杉と共に特殊詐欺撲滅のための活動に励んでいる。
「前回は特殊詐欺の被害拡大を食い止める警察庁の活動、今回は厚生労働省の健康行政と絡めて、寄席を開きました。なぜ、落語にそうした役所の仕事を絡めるのか。それはどれだけ懸命に訴えても、皆さんの耳にわれわれの訴えが届かないからなんです」
杉はそう語り、表情を引き締めて、杉友寄席に込めたもうひとつの“熱い想い”を語り始めた。
「“あなたの健康ですよ”“あなたの命を守る検査ですよ”と全国を回って頭を下げても、なかなか聞いていただけない。先日、長年支えてくれた後援会の人が亡くなりました。だからあれほど検査をして、と言っていたのに……。自分は大丈夫だと、他人事だったんですね。とても悔しかった。“この世の中どうなっているんだ”“この国はどうなっているんだ”といつも考えているから、お酒もみんなやけ酒になっちゃう。若い頃は3時間でブランデーを4本飲むこともあったけれど、それもみんなやけ酒。おいしいお酒を飲んだことは人生でほとんどない。今はたしなむ程度で、量をわきまえていますよ。酒はちびちびやるものですから。
まあそれくらい、現状を憂いているんです。大切なことを伝える場をもっと作らないといけない。そこで、まじめな広報啓発イベントだけでなく、自分の健康について考えるきっかけをたくさん作っていこうと、こうして寄席を開いたりしているんです」(杉)
厚労省の肝炎対策の活動は12年目に入った。この日は、杉の妻で、「知って、肝炎プロジェクト」肝炎対策特別大使を務める伍代夏子も登壇し、令和5年度の啓発ポスターもお披露目となった。新ポスターには愛犬「陸くん」を抱える伍代の姿が大きく写っている。「なんだか、すみません。曲のポスターみたいになっちゃって。ちなみに新曲は『時の川』が発売中でございます」と笑いを誘いながら、伍代はポスターへ込めた想いを語った。
「いつもは肝炎対策スペシャルサポーターの皆さんとポスターを撮影していますが、今回はわが子の陸です。皆さんの命になにかあると、お子さんやペットなどが悲しみます。大切なわが子を悲しませないためにも、ご自身の命を大切にしていただきたい。家族のために自分の健康を守る責任が、私たちひとりひとりにあります。
B型肝炎にはワクチンがありますし、飲み薬で進行を抑えることができます。C型肝炎は飲み薬で治療できます。早期発見、早期治療をすれば怖い病気ではありません。どうか、ウイルス性肝炎の血液検査を受けてください」