その撮影現場では、こんな一幕もあった。
「リハーサルの時、子役たちが用意されていたおにぎりに次々と手をつけながら、食べなかったんです。誰かが注意するのかなぁと見ていたら、美波ちゃんが間髪入れずに『コラッ! 自分が触ったものは食べなさい』と、まるで親が我が子にするように子供たちを叱ったんです。またもや僕が出る幕はありませんでした(笑)。その子役たちは彼女の子供や長屋に住む子供の役だったので、普段からお母さんのように接するようにしたのだと思います。可愛らしくて柔和な雰囲気ですが、芯の強い女性なんだなと感心しました」(住田)
『らんまん』より先に映画『ゴジラ-1.0』の撮影が行なわれていたこともあり、両作で共演した神木と浜辺は息の合った演技を見せた。2人について住田はこう語る。
「神木君ははじめのうちは彼女のことを“美波ちゃん”とか“浜辺さん”と呼んでいたようですが、『らんまん』の撮影が進むにつれて、“浜辺”と呼ぶようになったそうです。神木君のほうが年齢もキャリアも上ですが、何度も共演するなかで彼女を認め、“同等”と見るようになり、親しみを込めて呼び捨てに切り替えたんだなと思いました」
かつて昭和の映画界にあった石原裕次郎と北原三枝、山口百恵と三浦友和の“ゴールデンコンビ”のように、令和では浜辺と神木が鉄板のカップルになりつつある。
(後編に続く)
※週刊ポスト2023年12月8日号