「11月3日から5日は連休でお客さんが多かった。特に3日と5日がすごくて、もう駐車場に車が入りきらないくらい。1日の来客数は1000人を超えるくらいかな。
試食用に提供したのは『サンふじ』と『名月』です。食べ比べできるよう、それぞれ一切れずつ紙コップに入れました。リンゴの栽培は寒暖差が品質に大きく影響するんですが、今年は猛暑の影響でいつもより出来が悪いですね。収穫したリンゴのうち半分くらい捨てることもありました」
管轄の保健所から食中毒の報告があったのは10日後の11月15日。これを受けて翌16日から豊田りんご園」は試食用リンゴの提供を中止したが、それまでの間に食中毒は起きていないという。豊田さんの母親が続ける。
「リンゴはこの業務用のカッターで切るのですが、見ての通り鋭くて危ないですから手で触るようなこともない。また営業が終わったら、使用済みのカッターは次の日の朝まで消毒液に漬けておくように徹底しています。
保健所は『当日の12時から14時の間に集団食中毒があった』と判断しているそうですが、朝からずっとこの同じカッターを使っているのでこれが菌の原因だとしたらもっとたくさんの人が(食中毒に)なってしまっているんじゃないかとも思います。