「話し合い」ができない夫婦は?

 そのように夫婦で改めて話し合い、ルールを決めるのがうまくいく秘訣だとしても、そもそも話し合いが苦手だったり、「どうせ結果は見えている」と諦めて、まともに向き合うことを避けるというのも、年月を経た夫婦にはありがちことかもしれません。

「妻にガミガミ言われるのは嫌だが、自分が病気で倒れた時には頼りにしたいから、我慢しよう」と思い定めて、そうした関係でもお互いが心地よければそれで構わない。しかし、夫婦でいること自体がストレスになるとしたら、それを放っておくのは得策ではないでしょう。ストレスは免疫力を下げることが知られていますし、がんやその他の疾患、心の病のもとになるからです。

 妻の場合は「夫源病」として発症し、めまいや不眠、動悸、耳鳴り、食欲不振などの身体症状が出たり、うつ症状などを引き起こすことがあります。更年期と似たような症状がずっと続くイメージです。それに対して、夫のほうは会社で長年ストレスに耐えてきた経験があるからか、意外と妻からガミガミ言われても平気な人が多い印象です。

 ただ、精神科医の私としては、定年後の残りの人生を妻の尻の下に敷かれて過ごすと決めた人にも、リスクヘッジとして、月に1回か2回くらいは愚痴が言える友人を作っておくことをお勧めします。昔からの親友や会社の古い同僚でもいいでしょう。そこで吐き出して、メンタルの健康を保つことが重要だと考えます。(了)

 

和田秀樹医師が80代以降に心身の健康を維持するための「べからず集」を紹介

ベストセラー作家の和田秀樹医師が現役世代の悩みを吹き飛ばす「生き方」のコツを指南(撮影/三浦憲治)

【プロフィール】
和田秀樹(わだ・ひでき)/1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、国際医療福祉大学大学院教授、ルネクリニック東京院院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わっている。『80歳の壁』は2022年の年間ベストセラー総合第1位(トーハン・日販調べ)に。

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