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【アルマジロ】1000万円裏金疑惑で更迭へ 松野博一・官房長官は“逃げる”政治家「総理大臣杯は重い」 キックバック報道からも逃げ続けて“アウト”

スポークスマンなのに自らの疑惑を説明しなかった(時事通信フォト)

スポークスマンなのに自らの疑惑について説明しなかった(時事通信フォト)

 岸田政権には大打撃だ。政府のスポークスマンとして毎日、定例会見を行う松野博一・官房長官の更迭が決まった。

 松野氏は安倍派の裏金疑惑で派閥から1000万円以上のキックバックを受けていたと報じられたが、会見で何度質問されても「政府の立場としてお答えを差し控える」と繰り返し、国会でも「私の政治団体に関しては適正に処理をしてきた」の一点張り。業を煮やした内閣記者会からは事実関係の説明を求める要望書まで突きつけられていた。疑惑が発覚すると批判に耳を塞いで固い殻に閉じこもり、完全防御体制をとる姿勢は「アルマジロ松野」と揶揄されている。

 スポークスマンが記者会の信頼を失えば、政府の情報発信体制は機能不全に陥る。自民党内からも、「早く辞任させないと政権がもたない」(閣僚経験者)と更迭を求める声が挙がっていたが、岸田首相は12月8日の衆院予算委委員会で、野党側の松野氏更迭要求に対し、

「官房長官は内外の幅広い政策分野で発信していかなければならない立場だ。ご指摘の点(キックバック問題)は発言を控えなければならないが、それ以外の部分で、政府のスポークスマンとしてしっかり発信する役割を果たしてもらいたい」

 といったんは庇ったものの、このままでは自分のクビまで危ないと急転直下、更迭を決めたのだ。

 この松野氏、「安倍派5人衆」と呼ばれる同派幹部の1人で、官房長官に就任して以来、記者会見で無表情で質問に答える姿がニュースで流れるようになったものの、それまでは知名度が高かったわけではない。

 だが、2016年の安倍政権下で文部科学大臣として初入閣した時から、その”逃げっぷり”で知られていた。政治部記者が語る。

「松野さんは表に立つのが嫌いなタイプで、逃げちゃうんです。文科大臣就任直後に行われた夏の甲子園大会開会式では、恒例の文科大臣挨拶をやりたくないと言ってかわりに義家弘介・文科副大臣(当時)にやらせた。さらに、歴代の文科相は在任中に1度は大相撲の優勝力士に総理大臣杯を渡す慣例があるが、松野氏はそれも“表に立ちたくないし、総理大臣杯は重いから持ちたくない”と興味も示さず、役人たちは呆気に取られていました」

 どんな政治家なのか。

 1962年生まれの現在61歳。世襲議員ではない。早稲田大学卒業後、2年間「ライオン」でサラリーマン生活を送り、松下政経塾に入塾。1996年総選挙で自民党の候補者公募に合格して千葉3区から出馬するも落選、再起を期した2000年総選挙で初当選し、現在8期目だ。

「公募制度から生まれた日本で初めての衆院議員」と言うのがキャッチフレーズ。今でこそ「安倍派5人衆」の一角だが、生前の安倍晋三・元首相とは距離があった。安倍氏が総裁に返り咲いた2012年の自民党総裁選では、松野氏は安倍氏ではなく、当時の派閥会長だった町村信孝氏の推薦人を務めた。そのため、”お友達人事”で官邸を固めた安倍政権では厚遇されなかった。2016年に文部科学相に初入閣したものの、わずか1年で交代。後輩の萩生田光一・自民党政調会長や西村康稔・経済産業相らの安倍側近たちが官房副長官、大臣へと政権中枢で出世を重ねていったのとは対照的だ。

「松野さんは派内のつきあいがいいほうではない。たまに会合に出てきても、隅で黙って飲んでいるタイプ。だから賑やかな場が好きだった安倍晋三・元総理とは肌が合わなかったのではないか。人脈的には森喜朗・元首相や福田康夫・元首相に近かった」(安倍派中堅議員)

 松野氏の内にこもる性格の一端がわかる文章がある。松野氏がホームページに掲載した「政治家はどこで酒を飲むのか」と題するエッセイだ。

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