数百万円ボロ儲けの現場として報じられた、2時間2.4万円の小会議室(都市センターホテルの公式サイトより)
「ボロ儲け」のカラクリ
西村氏が“架空の政治資金パーティー”で使用した会場のひとつである、国会にほど近い「都市センターホテル」は、ホームページで、〈30名規模の会議、研修に最適〉や〈会社説明会や面接・試験などにもご利用いただけます〉と案内されている。
都市センターホテルに聞くと、会場となった603会議室を借りる場合は2時間の宴会コースで2万4000円、3時間プランで6万円ほどだという。サンドイッチも2000円前後で、文春が報じた通り10人足らずの参加者であればコストは10万円もかからない。講師へのギャラを払ったとしても、数百万円もパーティー券が売れていたのならボロ儲けだ。 今後の流れによっては、東京地検特捜部が立件対象とする可能性もある。元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士が解説する。
「今回の架空パーティー疑惑が刑事犯罪として扱われるのであれば、政治資金規正法違反が問われることになるでしょう。ただ一般論として、パーティーで集めた金額が100万円程度であれば当局が摘発には動かないのが普通です。しかし、これは特に規定があるものではありませんが、1000万円を超える金額となると、当局が捜査に動く可能性は上がります。
同種のパーティーが複数回行われていれば、その合計額で判断する場合もあります。1回あたりの儲けは数百万円だったとしても、何度もやれば数千万円になりますから捜査、摘発に動く可能性は高くなります。
政治資金規正法の時効である5年分の合計で見ることもありえます。それだけの期間となると、総額も大きなものになりそうです。もしも総額1億円レベルの政治資金規正法違反になれば、裁判で有罪になった場合、禁固刑が課される可能性も出てきます」
かつて西村氏は、通産省時代の上司にかけられた言葉をこのように回想していた。
〈役所に入って3年目くらいだったでしょうか。当時の上司に言われたのです。『浅知恵はすぐにバレる』と。心に残りました。その時から小細工をすることのないよう、常にまっすぐ向き合うよう意識しています〉(『GOETHE』2021年9月)
浅知恵はすぐにバレる、を体現してしまったのだろうか。