芸能

コロナ禍の影響で続く矯正歯科の経営破たん、大阪の医院が破産手続き

矯正歯科の経営破たんが続いている(写真/イメージマート)

矯正歯科の経営破たんが続いている(写真/イメージマート)

 矯正歯科の経営破たんが続いている。このたび大阪にあるハートフル歯科・矯正歯科を運営していた医療法人が破産手続きを開始した。東京商工リサーチが2024年1月11日に伝えたものだ。

コロナ禍に赤字が広がる

 この医療法人は医療法人TS会で、公開されている情報によると、2014年に設立されている。東京商工リサーチによれば、大阪で600件以上の矯正歯科の実績があったが、競争が激しくなったことに加え、コロナ禍の影響を受けたために赤字が広がっていた。2022年8月期は9320万円の赤字で、負債総額は3億3357万円だったという。

 矯正歯科をめぐっては、昨年から経営破たんが続いていた。

 2023年9月に「東京プラス歯科矯正歯科」を全国展開していた医療法人、さらに10月には東京都新宿区のあーすマウスピース矯正Lab新宿本院が経営破たんしていた。

 また、12月には、実質無料でモニターを集めていたものの、金銭トラブルを起こし、医院の治療も中断していた歯科医院が経営破たんしていた。

利益が少ないとされるマウスピース矯正

 今回のTS会がマウスピース矯正にどれほど力を入れていたかは不明だが、一般的に矯正歯科は、マウスピース矯正が人気となっている。このタイプの矯正はコストが高く、医院の利益が少ないとされる。一方で、マウスピース矯正を展開する医療機関が増え、同業者が増えている。コロナ禍もあって来院者も増えづらくなっていた中で、経営状況が悪い医院が増えていると考えられる。

 矯正歯科に関連して、厚生労働省は「補綴歯科」の専門を広告可能にするという動きもある。これによって、医院はより患者を集めやすくなると考えられる。ただし、競争の激しさはとどまりそうになく、矯正歯科の経営が不安定な状況は続く可能性がある。

 美容医療分野では、最近脱毛店舗の閉鎖が大きく注目されていたが、矯正歯科も受診時には慎重な検討が必要であるのかもしれない。

参考文献

(医)TS会(東京商工リサーチ、TSR速報)

「補綴歯科専門医」が広告可能に、厚生労働省が医療広告ガイドラインを一部改正

全国展開の「東京プラス歯科矯正歯科」、医療法人が民事再生法申請、経営行き詰まりはなぜか?

東京の矯正歯科が破産の申し立てへ、歯科医師の逮捕で混乱、マウスピース矯正で路頭に迷う人々が発生

歯科矯正で集団訴訟を起こされた会社が破産、「実質無料」うたいトラブル、割安モニター勧誘の問題は美容医療でも

【プロフィール】
星良孝/ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表、獣医師、ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

ヒフコNEWS

ヒフコNEWSは、国内外の美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイトです。美容医療に関連するニュースを中立的な立場から提供しています。それらのニュースにはポジティブな話題もネガティブな話題もありますが、それらは必ずしも美容医療分野全体を反映しているわけではありません。当サイトの目標は、豊富な情報を提供し、個人が美容医療に関して適切な判断を下せるように支援することです。また、当サイトが美容医療の利用を勧めることはありません。

関連キーワード

トピックス

愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
昨年ドラフト1位で広島に入団した常広羽也斗(時事通信)
《痛恨の青学卒業失敗》広島ドラ1・常広羽也斗「あと1単位で留年」今後シーズンは“野球専念”も単位修得は「秋以降に」
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト