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【日大のドンが死去】田中英寿・元理事長が語っていた“遺言” 「俺がどれだけ金出してきたか」

田中英寿・元理事長は2022年に本誌『週刊ポスト』のインタビューに応じていたた(時事通信フォト)

田中英寿・元理事長は2022年に本誌『週刊ポスト』のインタビューに応じていたた(時事通信フォト)

 日本大学の元理事長・田中英寿氏が1月13日に死去した(享年77)。同大相撲部の監督から1999年に理事、2008年に理事長に就任した田中氏は、5期13年の長期政権を築き、「日大のドン」と呼ばれた。

「理事会を側近で固めて私物化し、暴力団との交際疑惑も報じられた。2021年には取引業者からのリベートを巡る脱税事件で逮捕され、執行猶予付きの有罪判決が確定。理事長を辞任しました」(スポーツ紙記者)

 田中氏の辞任後、日大は経営体制の刷新を図り、理事会メンバーの3分の1以上を外部から招聘することなど、ガバナンス強化を進めた。

 その改革さなかの2022年4月、田中氏は本誌『週刊ポスト』のインタビューに応じたのだった(聞き手はジャーナリスト・時任兼作氏)。

「いまさら日大に戻る気はまったくない。ただ、この再生案では日大が崩壊してしまう」

 そう語る田中氏は、改革への異議を唱え続けた。

「外部から来た面々が外部の利益優先の大学運営をするだろう。結果、医学部や歯学部を切り売りする事態が起こりえる。何より俺が言いたいのは、130年かけて作り上げた学校運営の規則を無視して、好き勝手にルールを変えるなということ。例えば、ロシアが日本に攻めてきたら即座に徴兵制を敷いて軍隊を持つか? まず憲法を改正してからだろう」

 トップとしての責任や学生への謝罪について聞くと、こう居直った。

「それを言うなら俺がOB組織の校友会経由で、どれだけ学生たちに奨学金を出してきたか。それに附属の幼稚園、小中から新学部や病院まで設立して、全力で大学と生徒のために尽くしてきた」

 日大は目下、アメフト部員の大麻騒動をはじめ改革の途上にある。泉下の田中氏はどんな思いで母校を見つめているのか。

※週刊ポスト2024年2月2日号

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