「自民党広島雄翔会支部」は岸田首相の「第2の企業献金の受け皿」
岸田首相の「政治とカネ」にはさらなる重大な疑惑がある。
岸田首相のもとには、自民党広島県第一選挙区支部の他に、「自民党広島雄翔会支部」(以下、雄翔会支部)というもう一つの支部がある。
同支部の設立時(1994年)の代表は岸田首相本人で、現在は首相の金庫番秘書が代表を務めており、毎年、地元企業などからの献金を集めて約1200万円(2022年末)の繰り越し金がある。政治資金規正法では、企業・団体からの献金は政党支部でしか受けられない仕組みになっていることから、雄翔会支部は首相の「第2の企業献金の受け皿」であることが窺える。
なぜか首相の関係政治団体には登録されていないうえに、雄翔会支部の政治資金収支報告書では、政治活動費など支出はすべて金額だけで内訳が一切書かれていない。
A氏に取材すると「会計責任者? 誰が? 私が?」
この雄翔会支部の会計責任者を2008年から務めているのが、A氏という人物。同支部が事務所を置く会計・コンサル会社B社の取締役でもある。
本誌が支部の活動内容を取材するため自宅を訪ねると、A氏は留守で応対した夫人がこう答えた。
「(会計責任者は)全然やってませんよ。今は何もしていませんから」
後刻訪ねると、帰宅していたA氏が困惑した表情で取材に応じた。
「政治団体の会計責任者? 誰が? 私が? ……そう?」
──雄翔会支部の会計責任者として名前がある。
「私はもうお年寄りなんで、全然、(首相とは)縁がないから。確かに、名前を書いたことしか覚えてないけど。会計の責任者? とにかく、質問書いて。そのほうがわかりやすいから」
──雄翔会支部が事務所を置くB社の取締役にもなっている。
「(首をひねり)知らないなあ。とにかく(質問)書いて。ここ(郵便受け)に入れといてくれたら、明日(確認して)お答えするから。ええわええわでなったら、私も困るし。そこに入れといてくれたら、私もわからんことはわからんと書くから。申し訳ない。すいません」
全く知らない様子だ。