週刊ポスト(2024年2月2日号)で報じた岸田首相「祝う会」政治資金規正法違反疑惑の構図
「祝う会」の会計資料提出を求められると……
しかも、この「祝う会」なる団体に実態がなかった疑いがある。本誌の取材では、「祝う会」がコロナの蔓延で延期になったことを知らせる案内状の問い合わせ先が岸田事務所になっていることや、当日の受付を岸田事務所のスタッフが担っていたことがわかっている。そうしたことを問われた岸田首相は、苦しい答弁に追われた。
「祝う会は知事以下、地元の政財界の皆さんが発起人となった純粋な祝賀会と認識している」
「(祝う会の)事務局が不慣れであったため、様々な手続き、口座の開設などを私の事務所がお手伝いをした」
「会の主催者は政治団体とは異なる任意団体」
そんな言い逃れに終始したが、結局、「祝う会」の収益が自身の政治資金になっていることも、同会の事務や会計を岸田事務所が担っていたことも否定できなかった。当然ながら、それでは「祝う会」というダミー団体をかませたパーティー開催という疑念は晴れず、立民の大西氏からは、「これでは闇パーティーをやりたい放題」と追及を受けた。
また、任意団体の主催であってもパーティー収入が1000万円以上と見込まれる場合は政治資金収支報告書の提出が義務付けられるが、岸田首相は「(祝う会の)収入は1000万円未満だった」と答弁。大西氏から「祝う会」の会計資料の提出を求められると「理事会等の指示に従います」と応じるほかなかった。