「自民党広島雄翔会支部」は岸田首相の「第2の企業献金の受け皿」
会の「代表者」が自分が代表と知らない
この「祝う会」をめぐって本誌の取材により数々の疑惑が浮上している。岸田首相の支部の収支報告書に「祝う会」の代表者として名前のある人物は本誌の直撃取材に「代表になったことも、(岸田首相の支部への)寄附のことも知らない」という趣旨の答えをしている。政治資金規正法の虚偽記載にあたる可能性があるのだ。
「祝う会」の所在地として記載された住所(協同組合広島総合卸センター)を訪ねても、「(祝う会の)出欠の集計などは手伝ったが、お金(会費)のやり取りについては岸田事務所に聞いてほしい」との証言を得ている。岸田首相が国会で答弁したような「地元の政財界の発起人に開いてもらった会で、岸田事務所は手伝っただけ」とするのは相当に無理がある。
事務所や後援会が実務を取り仕切りながら、任意団体主催のパーティーというかたちにすれば収支を報告しなくていいなどということが許されれば、誰からも収支はチェックされず、裏金も作りたい放題である。
自民党の政治刷新本部では、政策集団によるパーティーを禁止したり、政治資金パーティーの公表基準の厳格化などが議論されているが、岸田首相の「祝う会」のようなやり方であれば、そうしたルールが設けられてもいくらでもすり抜けられるのだ。この疑惑からは、逃げ得を許してはならない。
1月29日発売の週刊ポストでは、「祝う会」をめぐる疑惑の詳細、税法上の問題点、そして岸田首相の金庫番秘書が代表を務める政党支部に浮上した新たな疑惑などを詳報している。このままでは、岸田首相に「政治とカネ」をめぐる改革を任せることなど、できるはずもない。